RawTherapee 本家は2020年2月に5.8がリリースされた後、新規リリースがありません。pixls.usのディスカッションを見ると、メインエンジニアの方が個人的に多忙なのがその主たる理由のようですが、開発は継続しています。ARTの安定版はRawTherapeeの開発版の機能を先行して取り入れているところもありますが、RawTherapeeの機能を省略しているところもあるので、やはり本家にこだわりたいという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、RT本家にこだわるなら、これだけ安定版のリリースが遅れると、開発中バージョンを使った方が良い場合も多いと思います。安定版にない、ローカル編集などの新しい機能も盛り込まれていますし、カメラサポートの範囲も広がっています。そこで開発バージョンのリンクが書かれているRawPediaのページを紹介します。
http://rawpedia.rawtherapee.com/Download
このページの、
"Development Builds"
の下に、開発版のリンクが張ってあります。なるべくバージョンの番号が大きいものを選んでください。Windows版の場合、André Gauthier氏がコンパイルしたバージョンが、今年(2021)の9月にコンパイルされており最も新しいようです(公式サイトの開発版は2021.6)。またPCのプロセッサー別に最適化されていますので、ご自分のCPUにあったものをダウンロードして下さい。これらはポータブルバージョンなので、PCのどこかにダウンロードして解凍したら、そのまま実行ファイルをたたくことで、実行可能です。
Mac OSは、Richard Barber氏のコンパイルしたものを使うと良いでしょう。OSのバージョンごとにバイナリが用意されています。なお、MacOS版 ARTの最新版は1.5*の開発版段階ですので、MacOSユーザは、ARTよりも、RawTherapeeの開発版を使ったほうが良いかもしれません。