知覚的ガンマ補正されていない、リニアな画像を出力するためには、次のようなソフトがあります。
◆darkable (Raw現像ソフト)
画像の出力 (export) 設定で、Linear REC709, Linear REC2020, Linear ProPhoto の三種類が選択可能。
リニア画像出力のオプションあり。
例: -4: リニア16bit出力 -g: カスタムガンマ出力 リニアな画像を出力する場合 -g 1 1 と指定*1。
◆GIMP
メニュー→[精度]で、[リニアライト]を選ぶと、現在の作業色空間がリニアに変わるので、その後リニアをサポートする画像形式 (TIFFなど) を選んで出力(エクスポート)すれば、リニアな画像が出力可能。
ところで、直接リニアな画像の出力をサポートしていなくても、リニアな画像の iccプロファイルがあれば、出力が可能な画像処理ソフトウェアがあります。しかし、リニアな画像の icc プロファイルの入手が容易ではありません。
■公開されたフリーな icc プロファイル
一つこんなものを見つけました。
上は、Elle Stone氏による、自作 iccプロファイルの解説で、それらの icc プロファイルがダウンロードできるサイトはこちらです。g10とあるプロファイルがリニアなプロファイルです。なお、Elle Stone氏はその他にも有用な情報を書いた記事を書かれています。必見です!
■Photoshopから、カスタムした iccプロファイルを作る
もう一つ、Photoshopからリニアなiccプロファイルを作成する方法も見つけました。
上のサイトの情報を元に、Photoshopからリニアな icc プロファイルを作る方法を解説します。
1) メニュー→[編集]→[カラー設定]をクリックします。
2) ダイアログが開いたら[詳細オプション]をオンにします。
3) ダイアログに、現在の作業用スペースが表示されますが、ここでモディファイしたい基本となるRGB用作業スペースを選択します。
4) 上の図は、ProPhotoを基にしたRGBのリニアプロファイルを作りたいので、ProPhoto RGBを選んでいるところです。
5) 一旦選択した後、同じメニューで[カスタムRGB]を選択します。
6) カスタムRGBのダイアログが開いたら、現行のガンマの値を1.0に修正します。
7) ガンマ値を修正したら、プロファイル名の保存名も適宜変えます。上の例では Linear ProPhotoと名付けました。
8) プロファイル名をつけただけでは、Photoshopでリニアな画像処理ができるようになっただけで、iccプロファイルとして保存されていません。ですので、カラー設定のダイアログにもどり、[作業用スペース - RGB] から[RGBプロファイルとして保存]を選択します。
9) 最後に保存ダイアログが出ますので、そのままiccプロファイルとして保存します。
保存場所は、Windowsでしたら、他のアプリケーションソフトでも使うことを考えると、 C:\Windows\System32\spool\drivers\color に保存するのが良いでしょう。これによってPhotoshopその他の画像処理プログラムでもリニアな画像処理や出力が可能のなるはずです。
■ フリーの現像ソフト RawTherapeeのカスタムiccプロファイルクリエイターを使う
また、RawTherapeeでは、Ver. 5.5からカスタムiccプロファイルクリエイターを搭載しており、これで、リニアなiccプロファイルを作成できます。プライマリは元になるプロファイルですので、あと変更したいパラメータを指定して、保存を押せばOKです。Photoshopでiccプロファイルを作るよりはるかに簡単ですね。