省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

フィルム青色部分マスク作成ツールを改訂しました

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 昨年12月に、フィルム青色部分マスク作成ツールを公開しましたが、主として画像の青みのある部分において不均等黄変の補正がしにくいのをサポートするツールとして使うことを考え、仕様を変更しました。なお、周辺部補正用マスク素材画像作成機能は、Bチャンネル再建補正用素材画像作成ツールの方に組み込みましたので、そちらの方を使っていただいたほうが便利かと思います。主な変更は、反転画像の出力と、出力画像の閾値の変更です。このツールを走らせると次のオリジナル画像から、以下のような画像を出力します。

 

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図0. オリジナル (ツール適用対象)

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図1. 出力画像

 

 左側が、青い部分が白くなっている画像、右側はそれを反転させ、青い部分が黒くなっている画像です。閾値0は B-(R+G)/2で計算させた画像、つまり青みがある部分が、白抜きもしくは黒抜き(反転)している画像で、閾値 +20というのは B+20-(R+G)/2つまり、閾値を20引き上げ、青だけではなくやや黄色い部分も含んだより広い部分を白抜きもしくは黒抜きした画像となっています。

 なお、このツールを走らせると、最初に読み込みファイル指定ダイアログ表示後、再度ダイアログが出て、画像モード(16bit or 8bit)の選択と、出力画像のタイプを指定します。出力画像は bothを選ぶとすべての画像を、Inverseを選ぶと上の右側のみ、Normalを選ぶと左側のみ出力します。黄変補正用マスクを作りたい場合はInverseの選択で良いと思います。

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パラメータ入力ダイアログ

 これにより次のような黄変補正用マスクが作りやすくなっています。

画像(図1-1)を反転・加工して作ってみました。それが下の図です。

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図3. 青部分黄変補正マスク (反転画像を加工)

このマスクを以下の画像に適用して黄変を補正すると...

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図4. Bチャンネル再建法適用直後 (黄変補正不十分)

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図5. 図4の画像に図3のマスクを適用し、黄変を補正した結果

 補正量はごく微量ですが、トーンカーブ調整を掛けると、補正しない場合との差が出てきます。

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図6. さらにトーンカーブ等色調を調整した最終結

 ちなみに、このマスクを使った黄変調整を行わないと次のようになります。青い部分が微妙に青緑になっています。

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図7. 上の黄変調整を行わず最終調整を行った結果


 このツールのダウンロード元はこちらです。

 

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 2021.3.5に画像ファイルを簡単にレイヤーマスクとして貼り付けるGIMPプラグインを公表しました。このプラグインを使うと簡単に画像をマスクとして貼り付けられます。こちらをご覧ください。

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