省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

軽微な黄変の補正 - 新・黄変ネガカラー写真補正過程例示(7)

f:id:yasuo_ssi:20210310145522j:plain このあたりで、軽微な黄変の補正事例もお見せしたいと思います。オリジナル画像は下記です。

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オリジナル
3,053,069色

 中央から右より、やや下の位置がわずかに黄変しているのが分かるかと思います。他の部分は問題ありません。この程度だとBチャンネル再建法に掛ける必要はありません。なお今回ファイルの色数をカウントするのにすべてのファイルをadobeRGBに統一して測っています。

 そこで汎用色チャンネルマスク作成ツールもしくはBチャンネル再建法 追加補正サポート用マスク作成ツールを使ってY透過マスクを作ります。

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Y透過マスク用画像
明度Bチャンネル14-247 / Y閾値+10

 これを黄変部分だけ補正するようにマスクの編集を行います。

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黄変部分透過マスク

 このマスクを掛けたレイヤーに対し、Bチャンネルをトーンカーブで補正します。

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Bチャンネル補正中

 さらに赤みもあるようですので、同じレイヤーに対して若干Rを引き下げます。

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Rチャンネル補正中

 補正が終了したら、出力して終わりです。

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GIMP上での補正終了
2,819,084色

 色数は若干低下しましたが、これでも十分見られます。念のためdarktableでコントラスト調整を行ってみます。

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darktableによる補正後
3,073,160色

 今回、露出とフィルミックRGBのみ調整して、ホワイトバランスを含め一切色の調整は行いませんでしたが、オリジナルを超える307万色余りと増えました。なお、RawTherapeeでも、同様に露出とトーンカーブ調整を使ってコントラストの調整を行いましたが、色数はdarktableに負けました。意外にも今までdarktableでどんな調整を掛けてもRawTherapeeより色数が増えることはありませんでしたが、今回はなぜかRawTherapeeを上回りました。どうも色の調整が入らず、コントラストや露出だけの補正を行う場合は darktable、逆に色の調整が入る場合は RawTherapeeの方が優れているような感じがします。

 コントラスト調整効果という点に限っては、伝統的なトーンカーブよりdarktableのフィルミックRGBがより効果が上回っているのかもしれません。

 あるいは、今回入力元のファイルの色数が、今までの画像 (主にBチャンネル再建法適用後さらに補正を加えたの画像)に比べて圧倒的に多いので、入力元がより優れているとdarktableはより優れた効果を発揮できるが、入力元がプアーだとむしろ効果が発揮できないという可能性も考えられます。

 いずれにせよ、今後補正を重ねる中、検証を続けていきたいと思います。

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