このあたりで、軽微な黄変の補正事例もお見せしたいと思います。オリジナル画像は下記です。
中央から右より、やや下の位置がわずかに黄変しているのが分かるかと思います。他の部分は問題ありません。この程度だとBチャンネル再建法に掛ける必要はありません。なお今回ファイルの色数をカウントするのにすべてのファイルをadobeRGBに統一して測っています。
そこで汎用色チャンネルマスク作成ツールもしくはBチャンネル再建法 追加補正サポート用マスク作成ツールを使ってY透過マスクを作ります。
これを黄変部分だけ補正するようにマスクの編集を行います。
このマスクを掛けたレイヤーに対し、Bチャンネルをトーンカーブで補正します。
さらに赤みもあるようですので、同じレイヤーに対して若干Rを引き下げます。
補正が終了したら、出力して終わりです。
色数は若干低下しましたが、これでも十分見られます。念のためdarktableでコントラスト調整を行ってみます。
今回、露出とフィルミックRGBのみ調整して、ホワイトバランスを含め一切色の調整は行いませんでしたが、オリジナルを超える307万色余りと増えました。なお、RawTherapeeでも、同様に露出とトーンカーブ調整を使ってコントラストの調整を行いましたが、色数はdarktableに負けました。意外にも今までdarktableでどんな調整を掛けてもRawTherapeeより色数が増えることはありませんでしたが、今回はなぜかRawTherapeeを上回りました。どうも色の調整が入らず、コントラストや露出だけの補正を行う場合は darktable、逆に色の調整が入る場合は RawTherapeeの方が優れているような感じがします。
コントラスト調整効果という点に限っては、伝統的なトーンカーブよりdarktableのフィルミックRGBがより効果が上回っているのかもしれません。
あるいは、今回入力元のファイルの色数が、今までの画像 (主にBチャンネル再建法適用後さらに補正を加えたの画像)に比べて圧倒的に多いので、入力元がより優れているとdarktableはより優れた効果を発揮できるが、入力元がプアーだとむしろ効果が発揮できないという可能性も考えられます。
いずれにせよ、今後補正を重ねる中、検証を続けていきたいと思います。
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