先日、レイヤーモードでスクリーンを使うと暗い画像を明るくでき、しかもトーンカーブ等で明るくするよりも効果が大きく、また荒れも少ないというようなことを指摘しました。では逆に明るすぎる画像を暗くするにはどうしたら良いでしょうか。これには乗算を使うようです。
重ねる2つのレイヤーの同じ位置のピクセル値を掛けて255で割るという式です。スクリーンモードの場合は明るくなりますが、これは反転した画像を乗算していました。ということは反転しない画像を乗算すれば暗くなる、スクリーンモードの反対になる、ということは理解できます。
これを乗算を繰り返すと以下のようになりました。
やはり、トーンカーブ等で明るさを落とすより効果は大きいようです。
なお、このケースでは効果を高めるためにレイヤーを複数重ねていますが、逆に弱める場合は、不透明度を下げます。
以下に公式マニュアルのリンクを張っておきました。公式マニュアルでは異なる画像をレイヤーで重ねることが紹介されており、同じ画像を重ねるとどうなるかが紹介されていないので、このような効果について分かりにくくなっています。
なお、乗算で異なる画像や色を重ねる場合は次のように理解すると分かりやすいです。
通常透過色(光)を合成すると、だんだん白くなります。一方、反射色(例えば絵具)を合成すると、だんだん黒くなります。コンピュータで扱うRGBは透過色ですが、乗算で合成すると、色が合成されるとともに、合成した結果は反射色のようにだんだん明度が暗くなっていきます。つまり反射色のように色を混合するモードである、ということです。