省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

埋め込みヘッドライトのクハ55403 (1975.10) - 蔵出し画像

  先日埋め込みヘッドライトであったクモハ41044を紹介しましたが、やはり新前橋区にいた、埋め込みヘッドライトのクハ55を紹介します。これも新規に作成した補正ツールで日の目を見た画像です。実はもう一両新前橋区には埋め込みヘッドライトのクハ55がいましたが、本車はHゴムが灰色なのが特徴でした。

 車体洗浄の際、洗剤が十分洗い流されるまえにすぐ乾いたような跡がついていますが、影を見ると結構塗料の艶がみられますので、全検を受けて間もなかったのではないかと思います。首都圏で長年総武線で使用され (最後までクモハ41の一党がいた路線です)、101系化に伴い新前橋に移ってきましたが、その際トイレを増設して400番台に改番されました。

f:id:yasuo_ssi:20210731105748j:plain

クハ55403 (高シマ)

 因みにオリジナルはこんな感じでした。

f:id:yasuo_ssi:20210731215309p:plain

補正前オリジナル

 あとは部分部分の写真を掲載します。

 

f:id:yasuo_ssi:20210731105816j:plain

床下 トイレ用の水タンク

 

f:id:yasuo_ssi:20210731110047j:plain

床下機器類

f:id:yasuo_ssi:20210731214821j:plain

クハ55403 トイレ部分窓

 窓から垣間見える内部はニス塗りだったようです。

 最後はクハ55403の車歴です。

 1938.10.29 川崎車両製造 (クハ55057) 東鉄配属 →  (1947.3.1現在東ツヌ所属) → (千ツヌ) → 1967.3.10 改造 高シマ → 1978.8.11 廃車 (高シマ)

 1938年に川崎車両でクハ55057として製造され東鉄に配属されました。どこに配置されたのかは調べられませんでしたが、1947年以降1967年に高シマに移るまではずっと津田沼電車区所属でした。津田沼電車区は1935年に開設されているので、新製配置以来ずっと津田沼所属で中央・総武緩行線を走っていた可能性があります。1967年に中央・総武線の新性能化によって新前橋転出の際、トイレ取り付け工事を行い55403と改番され、1978年に115系に置き換えられるまで11年間、吾妻・両毛線を走って来ました。前面に幌のない東鉄顔のままでした。

 因みに40系旧型国電は、新性能化によって115系165系といったクロス、セミクロスシート車に置き換えられましたが、10年後、1988年になって3扉ロングシート107系が登場し、まさに40系グループの再来となりました。そのロングシート107系も今や再びセミクロスの211系によって置き換えられなくなってしまいましたが... まさに歴史は繰り返すというか... この後はロングのE233にまた置き換えられるとか... ?