今まで、ART (Another Raw Therapee) の機能紹介を書いてきましたが、今回は入門記事です。ARTのクイックスタートを参考にしながらアレンジして、4回に分けて書いてみます。
インデックス
- (1) ファイルブラウザ画面 (本記事)
- (2) 編集画面
- (3) 簡単な編集
- (4) ファイルへの出力
以下画面はすべて拙作の日本語ファイルを適用した状態で示します(現在公式ダウンロードに拙作の日本語翻訳ファイルが採用されています)。なお、翻訳は随時見直す時がありますので、表示が異なる場合があるかもしれませんがご了承ください。
まず、ARTを起動するとファイルブラウザ画面になります。
起動画面は3つに分かれます。
・左パネル: ファイルを探す
・中央パネル: ファイルのサムネイル
・右パネル: カメラモデルや絞り、シャッタースピードなどでファイルを絞り込む
〇ファイルの探し方
左パネルのトップは、ドライブ一覧、その下はドライブの中のフォルダ(ディレクトリ)一覧です。ここから画像ファイルを含むフォルダ探します。
ARTは、RAW, JPEG, TIFF等を含むすべての一般的な画像ファイルを表示します。サムネイルはファイル名順に表示されます。
デフォルトでは各サムネイルのファイル名、撮影日、絞り値、ISO、焦点距離が表示されます。
〇画像ファイルを絞り込む
右パネルには2つのモードがあります。絞り込みと画像確認(Inspect)です。これらのモードは右上の縦のタブから選択します。なおRT本家5.8にあった一括編集と高速書き出しモードは廃止されています。
最初に、絞り込みを適用しましょう。まずレンズによって絞り込んでみます。
・絞り込みパネルの一番上で、メタデータ絞り込みの適用チェックボックスをオンにします。
・絞り込みパネルの真ん中からやや下、レンズにチェックをつけます。最初はすべてのレンズが選択されていますが、自分の探したいレンズのみクリックして選択します。
絞り込みパネルから、オプションをオン/オフして、特定のカメラ設定の画像を表示/非表示にしてみましょう。
絞り込みをリセットするには、メタデータの絞り込みの適用チェックを外します。なお、この絞り込みは、現在表示されているフォルダのみに有効です。
〇画像を確認する
右パネルには2番目のモード、画像確認 (Inspect)があります。このタブをクリックして選択してください。なお、この画像確認タブは、RT本家5.8よりも機能が拡充されている部分です (RT5.8の日本語訳は「カメラ出しJpeg」になっており[英語では同じ"Inspect"]、本家はRawファイルに含まれるプレビュー用のJpegデータの表示しか行わないようです)。
スクロール可能な中央のパネルのサムネイルをクリックすることで、表示させたい画像を切り替えられます。
画像確認パネルの下に、どのように画像のプレビュー画面を表示させるか選択するボタンがあります。
これらのボタンは左から順に、以下のようになっています:
- RAWファイルに埋め込まれたJPEGの表示
- リニア・トーンカーブで簡易現像したRAWイメージの表示
- フィルム調トーンカーブで簡易現像したRAWイメージの表示
- シャドー部を増幅したトーンカーブで簡易現像したRAWイメージの表示
- ハイライト部の白飛び部分を表示するモノクロイメージの表示
- 表示イメージをスクリーンサイズに合わせる
- 1:1のピクセルサイズでイメージを表示
■左下アイコン
入門ガイド(2)に続く