省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

darktable で高ISOノイジー画像のノイズ低減の特徴 (まとめ)

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 ここで、darktable 3.6.1 を使った高ISOノイジー画像のノイズ低減 (denoise [profiled]) に関する情報についてまとめてみます。

 まず特徴としては...

・ノイズ低減プロファイルがある場合、darktableの denoise の効果はかなり高い
※カメラ純正ソフトや他のフリーソフト、一部市販ソフトに比べても相対的に高い。

・ノイズ低減プロファイル + 非局所平均モードで、比較的ノイズの粒状サイズを均等化する効果が高く、粒状が残ったとしても整った感じになる
※これは他のフリーソフトだと粒状の大きさがあまり均等、均質にならないことが多く、それらに比べて大きな利点。

・waveletモードをrgbカラーモードで適用すると、より滑らかな感じになるがところどころ、不均質なノイズが残る印象。ただこれはパラメータを追い込めばもう少し改善できる可能性がある。なお、waveletと非局所平均では、どちらがより良い結果かはプロファイルや画像によってケースバイケース。
※高ISO画像では、waveletモードのY0U0V0カラーモードはノイジーで使用に耐えない。但しISOが低くなり、ノイズが減れば問題はなくなる。

・ノイズ低減プロファイルがない場合は、非局所平均だと一貫してノイズの粒状感が目立ち、waveletモード + rgbカラーモードの方が一貫して好ましい印象。

・sharpningとの併用を推奨

・ノイズ低減プロファイルがない場合は、ノイズ低減能力はARTあたりと互角で、取り立てて他ソフトに比べて優位とは言い難い。

 

また、プロファイルがある場合の補正方針としては...

1. ノイズ低減プロファイルのISOを変えてみる
 より高いISOのプロファイルの方がより粒状が細かくなる。非局所平均モードの適用の強さを上げる(ぼかしで粒状を潰し滑らかにする方向)よりは、より高いISOプロファイルを使ったほうが、粒状が細かく比較的均質になる傾向なので望ましいように思える。

2. モードを非局所平均 <> wavelet + RGBカラーモード で変更してみる
※但しどちらのモードがより良いかは一概に言えず、プロファイルによって左右される。

 

プロファイルがない場合の補正方針は...

1. 必ず waveletモード(自動)をRGBカラーモードで使う
※高ISO画像では、非局所平均モードはプロファイルがないと、掛ける効果を強くしても、ノイズ低減効果はかなり低い

2. スムージングを掛ける強さ (strength) の調整だけでなく、暗い部分で色ノイズが残る場合は autoset parameter を引き上げる
※かなり思い切って引き上げた方が良い

 

そして両者に共通するさらに踏み込んだ調整方法として...

・denoiseモジュールを多重に使い、それぞれに別のマスクを掛け、明るさに応じて、denoiseの掛け方を変えて調整する

というあたりでしょうか。

yasuo-ssi.hatenablog.com

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