省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

長野電鉄からやってきた、上田交通モハ5261 (蔵出し画像)

 さて、今回は旧形国電ではありません。750V時代の上田交通のモハ5261です。上田交通は1986年10月1日付で1500Vに昇圧され、それまで名物だった丸窓電車などが、東急からやってきたアオガエルなどと交代し引退してしまいました。その直前の9月に撮影しました。確か青春18きっぷの消化を兼ねて、上田を訪れたと記憶しています。

 上にも触れましたが、上田交通は丸窓電車が有名でした。しかし本車は丸窓電車ではなく長野電鉄からやってきた車輛です。でもなぜかご縁があり、結果的に一番たくさん写真を撮っていました。

モハ5261

モハ5261

 別所温泉駅です。

モハ5261

 コーポ寺下、という文字が見えますので、寺下駅のようです。

 

千曲川橋梁を渡るモハ5261

千曲川橋梁を渡るモハ5261

モハ5261

 写っている地形から判断すると、別所温泉駅に近い田んぼと思われます。

モハ5261

 これもおそらく別所温泉駅の近くと思われます。

モハ5261

 線路内に除草剤がまかれて、その部分の草が茶色く立ち枯れています。おそらく、線路の位置関係から下之郷中塩田間の下之郷寄りではないかと思われますが...

モハ5261

 Wikipediaによる本車の車歴ですが、本車は1933年4月に汽車會社東京支店にて落成した、元長野電鉄モハ110形、111でした。1953年に、モハ200形 201と改称し、1978年9月まで長野電鉄で活躍しましたが、長電の長野市内地下化に伴い難燃基準を満たさないため同年9.18に廃車となり、1978.12.1に上田交通に譲渡されました。その後は丸窓電車に交じって活躍しましたが、1986.10.1の1500V昇圧化で同日付で廃車となりました。53年間活躍した計算です。

 

 なお、本車を撮ったネガカラーフィルムは程度の強弱はあれすべて黄変しており、全コマ黄変フィルムを復旧して日の目を見た写真です。簡単に修復できたものもあれば、かなり復旧に手こずったものもありました。