省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

Windows用 GIMP 2.10.x メニューのデフォルトフォントを変更する

 WindowsGimp は、Windowsのシステムフォントがラスターフォントのため、メニュー等の表示文字があまりきれいではありません。LinuxMac OS ではシステムフォントがベクターフォントのため、気にならないと思いますが。この文字のフォントを変更する方法について説明します。

 メニューフォントおよび文字サイズの変更は、GIMPの [設定] から変更することができません。そこで設定ファイルを直接編集して変更することが必要になります。GIMPのメニュー等の設定は、テーマの定義ファイルに記述されていますが、このテーマの定義ファイルを置く場所は次の2か所にあります。

C:\Program Files\GIMP 2\share\gimp\2.0\themes\

→ どのユーザにも共通な設定ファイルの置き場

C:\Users\%USERNAME%\AppData\Roaming\GIMP\2.10

→ ユーザごとの設定ファイルの置き場

 なお、 %USERNAME% は具体的なユーザ名に読み替えてください。

 

 他の日本語サイトでの解説では、上のどのユーザにも共通な設定ファイルを変更する方法が解説されていますが、本記事では下の、ユーザごとの設定ファイルの置き場に、設定ファイルを作成して変更する方法について解説します。そちらのほうが、書き込み権限などを気にしなくてもよいので簡単です。

 なお、必要性は少ないかもしれませんが、Linux, Mac OSでも同様な方法でフォントを変えることができます。

 まず、以下の内容をコピーして、テキストエディタを使って、gtkrc という名前で保存してください。ファイルの拡張子はつけないでください。なお、文字コードUTF-8 を改行コードは LF を指定して下さい。

 なお、以下の内容は、フォントを、"Yu Gothic UI Semibold 10" に指定する内容になっていますが、もし別のフォントやサイズを使いたい場合は、  font_name = という右側の記述を、適宜別のフォント名やサイズに変更してください。

---------------------------

# pixmap_path "<dir 1>:<dir 2>:<dir 3>:..."
#
# include "rc-file"
#
# style <name> [= <name>]
# {
#   <option>
# }
#
# widget <widget_set>       style <style_name>
# class  <widget_class_set> style <style_name>
#
# You can add your own GIMP-specific GTK styles here.


#
# Adjust the size of previews in plug-in dialogs:
#
style "gimp-large-preview"
{
  GimpPreview::size = 256
}

# class "GimpPreview" style "gimp-large-preview"

#
# Change the combo-box popup style:
#
# This only has effect if GTK is built with the patches
# in the GIMP source-tree's build/patches/ directory.
#
style "combo-box-popup-style"
{
  GtkComboBox::popup-style = GTK_COMBO_BOX_POPUP_LIST
}

class "GtkComboBox" style "combo-box-popup-style"

# System
style "gimp-default-style"
{
  font_name = "Yu Gothic UI Semibold 10"
}

# Dark
style "gimp-dark-default-style"
{
  font_name = "Yu Gothic UI Semibold 10"
}

# Gray
style "sogg-default-style"
{
  font_name = "Yu Gothic UI Semibold 10"
}

# Light
style "tlsog-default-style"
{
  font_name = "Yu Gothic UI Semibold 10"
}

---------------------------

できた gtkrc ファイルを、

C:\Users\%USERNAME%\AppData\Roaming\GIMP\2.10

に移動し、GIMPを再起動すれば OK です。

なお、上のファイル内容で、

style "gimp-default-style"

 以下で、System スタイルを

style "gimp-dark-default-style"

 以下で、Dark スタイルを

style "sogg-default-style"

 以下で Gray スタイルを

style "tlsog-default-style"

 以下で Light スタイルを定義します。

なお、スタイル名に規則性がありませんが、これは現行のGIMPのバージョンがそうであるためです。

 ちなみに参考までに Linux の場合の設定ファイル置き場ですが、

.var/app/org.gimp.GIMP/config/GIMP/2.10/  (Flatpak でインストールした場合)

または、
.config/GIMP/2.10/ (それ以外)

です。

Flatpak でインストールした場合でも、それ以外と同じ場所に設定ディレクトリがあればそちらが優先されるようです。

 

 なお、開発途上版 (Ver. 2.99.x) ではテーマ指定のフォーマットが変更(CSSファイル)になっているようなので、この方法は有効ではありません。