省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

黄変ネガ写真 Bチャンネル再建法 (ハイブリッドアルゴリズム) 補正過程事例 (8-1) - 相対RGB色マスクに対しガウスぼかしを掛ける

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 前回、黄変ネガ写真 Bチャンネル再建法 (ハイブリッドアルゴリズム) 補正過程事例  (8) をお見せしましたが、あとから考えて、部分的に手直ししたほうが良い部分が見えてきました。

 まず、周辺補正レイヤー用マスク編集ですが...

前回、以下のようにマスクを編集しました。左右両端も下記のように補正域としました。

周辺補正レイヤーマスク

 これは、以下のオリジナル画像を見て、左右端も褪色しているように見えたためですが...

周辺補正レイヤー用マスク原稿ファイル

 どうもこれはレンズに周辺光量低下効果のためだったようです。そのため後でこの部分の緑を修正することになりました。そこで以下のように、上下端のみ補正を適用したほうが良いようです。

周辺補正レイヤーマスク 編集のやり直し

 これで再構成されたBチャンネルは下記の通りです。

再構成Bチャンネル

 さらに RGB 合成の結果は下記です。

補正1

 次に前回の補正で気になったのは、フィルムの粒状がオリジナルよりかなり強調されてしまったようです。これは、追加補正でマゼンタ、グリーン補正を行いましたが、その際作ったマスク画像で、かなり粒状が強調されました。

前回のマゼンタマスク

 これほど縮小してもざらつき感が目立ちます。そこで、マスク作成時に、ガウスぼかしを掛けることにしました。Sigma は2.0にしてみました。その結果が下記です。

マゼンタマスク (ガウスぼかし Sigma = 2.0)

 これを掛けたレイヤーに下記のようにマゼンタ補正を掛けました。

マゼンタ補正

 グリーンマスクもやはり粒状が目立っていたので、下記のようにガウスぼかしを掛けてみました。

グリーンマスク (ガウスぼかし同)

 さらに、遠景にはかからないよう編集し...

グリーンマスク編集済み

 そしてこのマスクを掛けたグリーン補正レイヤーに対して下記のようにトーンカーブ補正を掛けました。

グリーン補正

 あと、以下のようにグローバル補正を掛けてみました。

グローバル補正

 この結果を出力したのが下記です。

補正2

 これを、前回同様 ART で調整を掛け出力したのが下記です。

ART 最終出力

 前回より色合いが良いかどうかは微妙ですが、追加補正用のマスクにガウスぼかしを掛けたおかげで、粒状感は確実に減っています。とは言え、フィルムが初期のISO400フィルムである HR400 であり、元々粒状性の比較的高いフィルムなので限界はありますが。

 実は自分でガウスぼかしオプションをつけていながら今まで一度も使っていなかったという... とはいえ、こういう場合に使うべきですね。