今まで、なぜか DP Review では、簡単な紹介しかされていなかった On1 の Raw現像ソフト、Photo RAW のレビューが掲載されています。全ての機能について試したわけではないと断りつつも主要な、特徴的な機能に基づいて評価されています。
https://www.dpreview.com/reviews/on1-photo-raw-2023-review-ai-smarts-speed-up-your-photo-edits/1
Photo RAW 2003 の主要な特徴として、
・画像管理と編集機能の統合
・930種以上のカメラ、スマートフォン、ドローンその他の Rawファイルをサポート
・1200種のレンズの、補正の自動適用
・グローバル / ローカル編集のサポート
・HDR、パノラマ等マルチショットテクニック画像のサポート (この点は DxO より一歩進んでいます)
・切抜き、マスク、ブレ軽減、キーワード検索その他の AI 活用新規機能追加
・買い切りと年間サブスクリプションの２つの販売方法を提供
が挙げられています。
おおむね Adobe Lightroom と Photoshop を統合したような方向性ですが、買い切り購入というオプションがある点が異なります。
Photoshop や Lightroom もそうですが、Photo RAW2003 では、AI (機械学習) を応用した機能を売り物としてきているようです。逆に言えば AI を使わない部分では、フリーソフトでも同様な編集ができるようになっているということを意味します。ただ、AI を使った機能についてはまだ粗削りで、改善の余地が多いと結論付けられています。例えば、「コンテンツに応じる」(Content-aware crop)を使った画像拡張は、Adobe の方がよりうまくテクスチャを創造できています。また AI を使った範囲指定やマスク指定は、画像によっては意図しない部分まで範囲指定されるケースが報告されています。
AI 適用プリセットはかなり良い効果があると評価されています。またAI ぶれ低減機能もかなり効果的と評価されています。
AI を使ったキーワード検索については、時間の節約になる一方、個人名の識別には効果がないととしています。
全般的に現像・編集された画像のクオリティは高いと評価され、特に、AI ノイズ低減 (ノーノイズ) は高く評価されています。ただし DxO などとの比較は行われていません。
AI 機能はまだ粗削りなところがあるものの、推薦に値すると結論付けられています。
