先日、苦労して空の補正を行った事例を掲載した画像です。これを今回バージョンアップしたImageJ対応 相対RGB色マスク画像作成ツール Ver. 0.5 を使ってマゼンタ補正を行ってみます。
まずオリジナルから...
そして一旦、Bチャンネル再建法で黄変を除去した結果が下記です。前回のケースもここから補正事例をお見せしました。黄変のあとにまだマゼンタ汚れが残っているのと、そもそも画像全体がマゼンタかぶりを起こしています。
新しい相対RGB色マスク画像作成ツールを使って以下のような、透過度の高いコントラストの弱いマスクを作成します。マスクのパラメータは下記のとおりです。
このマスクを、補正レイヤーにかけ、下記の様に GIMP 上でトーンカーブ補正を行います。
その結果がこちらです。
前回は、苦労してマスク編集を行った上で補正をかけましたが、空の色がかなり冴えませんでした。今回はまずまずです。このままでもいいのですが、空の青みを増やすため、一旦可視部分をレイヤー転換し、さらに前回と同じ空だけのマスクをそれに掛けます
。
そのレイヤーに対し、下記のように青みを増やす補正を行います。
結構空が青っぽくなりました。
この結果ファイルを TIFF に出力して ART で調整します。若干派手目のような気もしますので、ARRI Film A の LUT を弱く掛け、さらにトーンカーブ補正を掛けたのが下記の画像です。
かなり妥当な結果になりました。前回より手間も減っています。しかし、これなら図6 〜 8 の過程は飛ばしていきなり LUT を掛けても良さそうです。そこで飛ばして、ART で調整したのが下記です。
こちらでは、同じ LUT を掛け (但しかけるパラメータは若干変えています)、トーンカーブでミッド域を上と同様にやや明るくした上で、トーンイコライザーのホワイト領域の値を若干下げ、空の色を濃くしてみました。ほぼ図 9 と 10 は同じ結果ですが、手間は図 10 の方が減っています。
いずれにせよ、新しいバージョンを使って明るめのマゼンタ補正マスクを作ったほうが、明らかにマゼンタ補正の手間が減ります。また、マゼンタ補正のポイントとしては前にも述べましたが、高めのマゼンタ閾値を設定する (30前後)、そして、コントラストの弱い、透過度の高いマゼンタマスクを作成する、という点になると思います。