先日、デジタルテレコンを使うより FOSS (Free Open Source Software) の Real ESRGAN アップスケーラを使った方が良好な結果が得られると報告しました。そこで、今回は FOSS のノイズ低減ツールを使ったらどうなるかを試してみます。
マイクロフォーサーズは元々センサーサイズが小さいため、低照度下、高 ISO で撮影した画像にノイズが入りやすくなります。そのため 公式 Raw 現像ソフトである OM WorkSpace に AI を使ったノイズ低減機能が搭載されています。しかし、Mac OS では常に使えますが、Windows だと cuda を使っているのか、NVIDIA の GPU を使っていないと AI を使ったノイズ低減機能が使えません。また OM WorkSpace はそもそも Linux に対応していません。Wine 経由で使えるかもしれませんが、その場合は GPU は常に使えなくなってしまうので、使う意味がなくなります。
というわけで、FOSS のノイズ低減ツールがどれぐらい使えるか試してみました。FOSS のノイズ低減ツールは、GIMP および自作 plug-in を通して、RawForge と NIND denoise を使用しています。
yasuo-ssi.hatenablog.com RawForge は標準的な、TreeNetDenoise モデルを使っています。
NIND denoise はモデルに、2021-06-14付のモデルを UtNet で使っています。
まずオリジナルです。

左は参考に ISO 200 で撮ったもの、右は、テスト用にわざわざ ISO 25600 で撮影しました。カメラは OLYMPUS OM-D E-M1 mk iii です。流石に、ISO 25600 だとノイズだらけです。
下は、OM WorkSpace の AI ノイズ低減をかけたものとオリジナルです。

ノイズは目立たなくなりましたが、さすがに細部を完璧に再現するところまで行きません。
下は、OM WorkSpace の AI ノイズ低減と、FOSS の RawForge でのノイズ低減結果を比較しています。

OM WorkSpace で処理したものより、RawForge を使ったほうがより良い結果が出ています。RawForge なら、AMD の GPU や intel の内蔵 GPU なども使えます。
もう一つ、NIND Denoise も使ってみました。一旦 ART でデモザイクを行ったものを GIMP に読み込ませ、それに NIND Denoise を掛けてみましたが....

ところが、NIND Denoise を掛けてみても、ほとんどノイズが取れません。最初は設定を間違えているのかと思いましたが、Nikon で撮ったイメージに対してはかなり効果を発揮します。あきらかに OM のカメラで取った画像に対してほぼ効果がない状態です。しかし撮ったカメラによってこんなに効果が違うのは驚きと思いましたが....
そこで、デモザイクする Raw 現像ソフトを変えてみると変わるのではないかと、darktable ででモザイクして GIMP に読み込ませたものを NIND denoise に掛けると...

今度はうまく行きます。どうも ART と OLYMPUS カメラと NIND denoise の相性が悪いようです。結果ですが、やはり NIND denoise のほうが精細な結果が得られます。RawForge とは甲乙つけがたい結果ですが、微妙に NIND denoise のほうが良いかもしれません。またカーブミラーが一番はっきりわかりますが、これはデノイザーの効果なのか、途中で darktable を噛ましたせいなのかは微妙なところです。
下は ISO 6400 のケースです。まずオリジナルと、OM WorkSpace の AI ノイズ低減の比較です。

また OM WorkSpace の AI でノイズと RawForge の比較が下です。

一見すると OM Workspace の方が、精細感があるようですが、細かく見ると細部のスムージングではやはり RawForge の方に軍配が上がるようです。ただある程度ノイズが含まれた方が、精細感が出るのは否めません。

NIND Denoise との比較では、NIND Denoise は非常にスムーズですが、スムーズすぎて細部が残らない傾向が出ています。この点ではやはり RawForge のほうがベターではないでしょうか。黄色っぽいのは darktable の効果です。
最後、E-P3 で撮影した画像です。F4.1, 1/6, iso 1600, 21mm で撮っています。E-P3 は結構前の機種で、あまり評価されていなかったパナソニックのセンサーを使っていた機種です。iso 1600 でも結構ノイズが乗っています。OM Workspace では開けますが AI デノイズが適用できない機種になります。

左が、オリジナルで、右が RawForge 適用結果です。非常にスムースですが、スムーズ過ぎてややぼやけ感もあります。多少ノイズを残した方が良いようです。

次は FOSS のデノイザー同士の比較です。NIND デノイズは、やはり ART で現像してしまうとうまく適用できないので、darktable で現像したものに対してデノイズをかけています。一長一短のようなところもありますが、やはり RawForge の方がややしっかりした感じでしょうか。
なお、デノイズの際、採用するモデルが変わると結果も変わるかと思います。
まとめとしては、OM WorkSpace の AI ノイズ低減より FOSS のノイズ低減ツールのほうが効果が大きく、GPU が NDIVIA に限られない点もメリット。ただし RawForge と NIND denoise の比較では、どちらが良いかはケースバイケースというあたりになりそうです。

















