省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

身延線旧形国電関連記事インデックス

当ブログ内での身延線旧形国電関連記事リンクです。2022年8月のクモハユニ44801の記事アップで、各車両ごとのデータ紹介は一旦完結しました。 1976.4 富士電車区構内左からクハ47059, 47110, 47061, 55441 ■写真 & 車歴紹介 (1975~1981 在籍 戦前製旧形国電…

トーン編集 darktable vs. ART

darktableのオンラインディスカッションに以下のような議論が出ていました。 discuss.pixls.us 4年ほど前にdarktableの開発チームに参加し、現在 Ver. 3以降のシーン参照ワークフローの設計を主導している Aurélien Pierre氏の「ベースカーブは良くない」と…

身延線 クモハ60802 (蔵出し画像)

こちらは身延線のクモハ60ですが、この車両とは比較的縁があまりなく、写真を整理したらこの2枚しか出てきませんでした。カラー写真も1枚も撮れていません。ですが、一応両サイド撮れています。 クモハ60802 (静ヌマ) 1981.6 富士電車区 クモハ60802 (静ヌマ…

車番ダブルブッキングに見舞われた 身延線 クハ55440 (蔵出し画像)

本車は身延線では少数派だったクハ55です。身延線のクハ55もオリジナルは1両もなく、すべてサハ57からの改造車です。前に掲示したクハ55301とは異なり、常磐線の分割併合運転用に改造されたのではなく、地方転出を見据えて山手線時代に改造されたようです。…

昭和初期的古典的風貌が特徴だった身延線のクハ47061 (蔵出し画像)

こちらはご覧のように正面の雨樋が直線だったのが特徴的だったクハ47です。原型の雰囲気を色濃く残している... と言いたいところですが、オリジナルのクハ47ではなくサハ48 (48009)からの改造車です。本車も室内はロングシートでしたが、これは067と同じく連…

元関西急電用サロハ46であった 身延線 クハ68109 (蔵出し画像)

さて、こちらは元クロハ59のクハ68019に似ていますが、番号が100番台になっています。これもクロハ59から改造されたクハ68ですが、経歴が異なります。そもそも最初は中間車のサロハ46として製造されました。その後、モハ52の投入により急行運用から外れるの…

トーンカーブを使ってコントラストやトーンを調整する - ARTの基本編集操作

フリーソフトのRaw現像ソフトの中で世界的に最もユーザの多い darktable では、現在力を入れているシーン参照ワークフローにおいて、伝統的なトーンカーブの使用を推奨しなくなりました。トーンカーブで行っていたような調整はフィルミックRGBを使ったり、ト…

ARTの次期追加機能 - カラー/トーン補正の圧縮 & スムージングのノイズ追加モード 

現在ARTの最新開発版に2つの追加機能がつけられています。 一つは、カラー/トーン補正の圧縮 (原語 compression) スライダーです。 要は、ハイライトとシャドーの差の大きい画像においてその差を縮める機能です。 圧縮スライダー使用前 圧縮スライダー上昇後…

身延線 クモハ51820 (蔵出し画像)

本車も普通の身延線のクモハ51ですが、Hゴム化された運転台窓がやや小さめな点がアクセントになっていました。また関東生まれのモハ51ですので、偶数車にもかかわらず、2-4位側が電気側のままになっています。 クモハ51820 (静ヌマ) 1979.5 富士駅 クモハ518…

ARTの MacOS用バイナリーファイル

Mac OS版のバイナリーファイルが Ver. 1.5代しかない、ARTですが、ボランティアで1.12.1のバイナリーファイルを公開された方が現れました。以下のpixls.us のディスカッションに、ダウンロード先リンクが公開されています。 discuss.pixls.us 現在、Intel版…

中部天竜機関支区にいた飯田線のクモハ51019

本記事は以前「高尾山麓日記」に載せていた記事の手直し、および写真を追加したものです。 さて、1978年10月の改正で80系が導入されるまでは、豊橋機関区中部天竜機関支区 (後の佐久間レールパーク) には11輌の電車が配属されていました。その1輌は、最後ま…

ARTで露出を補正する - ARTの基本編集操作

今回は、ARTで撮った写真の露出を補正する方法です。と言っても難しくありません。すぐわかるかと思います。以下、今回補正する写真をARTに読み込んだところです。 オリジナルRawファイル まず、ハイライトクリッピングしていないか確認してみましょう。クリ…

身延線 クモハ51852 (蔵出し画像)

本車は元横須賀線で使われていたクモハ43で、横須賀線末期に混雑に対応するために3扉化改造されクモハ51に編入された車輌です。身延線入線にあたって低屋根化され、850番代の番号を与えらました。 本車は前面に幌を備えていたため、主に身延線10〜18番運用で…

現像失敗モノクロフィルム写真のデジタル救済の試み

手持ちの写真で現像処理に失敗した写真があります。これをデジタル的に救済できないかと考えて、まずまずの結果が得られたので、その補正過程を公表したいと思います。 まず現像に失敗したオリジナル画像です。 オリジナル画像 現像タンクの中でフィルムのリ…

身延線の変顔車輛ナンバーワン クハ55301 (蔵出し画像)

本車は1959年度に、常磐線の運用合理化に伴い分割併合運転を行うため、サハ57をクハに改造した車両です。おそらくあまり先頭に出ることが考慮されていなかったのか、正面扉は客用貫通路扉のままで運行灯もないという手抜き工事です。以前紹介した高崎地区に…

身延線 唯一ノーシルノーヘッダーだった クモハ60800 (蔵出し画像)

本車は1975年3月以降の身延線車両にあって、唯一ノーシルノーヘッダーだった車両です。それ以前は流電の元中間車だったクハ47がいたり、合いの子がいたりしましたが、飯田線や中央西・篠ノ井線に移り、本車が唯一となりました。 他のクモハ60は、一旦常磐線…

ARTでホワイトバランスを調整する - ARTの基本編集操作

これから、比較的Raw現像に慣れていない方に向けて、ART / Another RawTherapee の基本編集操作を解説する記事を書いていきたいと思います。 まず写真編集の基本であるホワイトバランス調整です。以の図は、NikonのNEF形式のオリジナルファイルをARTで読み込…

身延線 クモハ60816 (蔵出し画像)

こちらは右運転台窓にRがついているのがアクセントとなっていた、クモハ60816です。戸袋窓を見ると内側がモスグリーン(淡緑1号) に塗られているようですので(他の方が撮られた816の写真でも戸袋窓の内側がモスグリーンに見えます)、客室内もモスグリーンに塗…

デジタルカメラを使ったR, G, B別ネガフィルム取り込み法

今回の記事は「白色ライトでネガフィルムをデジタルカメラでスキャンすると色が悪くなる」の続きで、Alexi Maschas氏の記事紹介の後半部分です。 medium.com さて、ではどのようにデジタルカメラでRGB別ネガカラーフィルムのキャプチャを行うのでしょうか。A…

身延線のクハ68093 (蔵出し画像)

身延線では飯田線と異なりオリジナルのクハ68は1両もおらず、すべて改造編入車のみでした。そもそもクハと言えばクハ47が最大勢力であり、それ以外の車種は補完的な勢力でしたので、そもそもあまり輌数がいませんでした。 その中で、半流のクハ68と言えばす…

登場後5か月で姿を消す相模線E131系八王子駅乗り入れ

昨(2021)年10月に相模線でE131系の営業運転が開始されましたが、その際相模線の横浜線八王子乗り入れにも当然充てられていました。しかし2022年3月12日の改正で相模線の八王子乗り入れが廃止されます。登場後わずか5か月余りでE131系の八王子乗り入れはなく…

特徴のないクハ47ナンバーワン 身延線のクハ47067 (蔵出し画像)

本車はクハ47の中でも、ロングシートだった以外は、外観に特徴のない、判別に苦慮する車ナンバーワンと言える存在でした。ロングシート化されていた理由は敗戦後連合軍専用車として代用二等車に指定されていたためです。体格の良いアメリカ人にとっては日本…

御殿場線 サハ78030 (蔵出し画像)

ここのところ身延線車両の写真のアップが続いていましたが、今回は御殿場線車輛です。こちらは変わり種のサハ78です。サハ78は本来63系の一員として製造されましたが、本車は32系の一員サロ45から改造されたサハ78です。関西では戦時中はモハ63系の直接投入…

なぜネガカラーフィルムのスキャンにRGB LED光源を使うべきなのか?

本記事は、以下の記事の続編です。 yasuo-ssi.hatenablog.com-------------- さて、上記記事で、Alexi Maschas氏のRGB LED光源でR, G, B別々にネガカラーフィルムをスキャンし、それを合成すべきという議論を紹介しました。その中で、なぜ波長の帯域幅の狭い…

身延線旧形国電主な特徴一覧 (1975-81)

ここのところ、身延線旧形国電の識別方法について記事を書いてきましたが、ここで1975~81年に掛けて在籍していた身延線用の旧型国電の主な特徴をまとめたPDFファイルを作成してみました。ただしアコモ改善車 62系は含まれません。 昔の写真の識別、もしくは…

白色ライトでネガカラーフィルムをデジカメ・スキャンすると色が悪くなる!?

最近ネガカラーフィルムの色補正について検索をしていたところ、貴重なWeb記事を見つけました。ネガカラーフィルムのスキャニングをする際に知っておくべき非常に重要な情報と思われますが、しかし少なくとも日本語ではネット上で得られない情報です。それが…

正面幌付き非Hゴムだった 身延線 クモハ51802 (蔵出し画像)

身延線の主力だったクモハ51。本車、クモハ51802もかつての身延線の普通の電車の一両ですが、先日紹介した800と並んで正面の運転台窓がHゴム化されていなかった車両です。側面幕板のサボ受けも残っていましたが、行先表示幕表示器は撤去されていましたので80…

オリジナルの色合いを色濃く残していた身延線 クモハユニ44803 (一部蔵出し画像)

今回掲載する写真はクモハユニ44803です。おそらく身延線にいた旧形国電の中でも、最も人気のあった車両の一両かと思います。身延線にはクモハユニ44が4輌いましたが、本車は大糸線を経由して一番最後に身延線にやってきた車輌です。このため他のクモハユニ4…