省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

darktable

darktable の悪名高いハイライトクリッピングのピンク化をどう補正するか

darktable のデフォルトのトーンマッピングモジュールである filmic RGB を使うと、空などでハイライトクリッピングが発生したときに、悪名高いサーモンピンク現象が発生します。filmic RGB の代わりに Sigmoid を使うと発生しにくいですが、完全に発生を防…

デジタルカメラで撮影から RGB データを得るまで (Aurélien Pierre 氏 ビデオ要約)

かつて darktable のエンジニアでフィルミックrgb 等の開発者であった Aurélien Pierre 氏が光とカメラのダイナミックレンジに関して理解するための基本について解説したビデオがあります。 youtu.be これはカメラや画像処理の原理に関して理解するのに非常…

darktable で オリンパス / OM system の Raw埋め込みデータによるレンズ補正が可能に

darktable 4.6.x で今まで不可能だったオリンパス / OM System の、Raw 埋め込みメタデータを使ったレンズ補正が可能になりました (下図)。 レンズ補正で [埋め込みメタデータ] が選択可能に Ver. 4.4.x では富士のレンズに関してはメタデータを使ったレンズ…

darktable 4.6.1 がリリース

昨年12月に darktable 4.6.0 が出ましたが、そのバグフィックス版が先ほどリリースされました。ダウンロードは以下のリンクから。 www.darktable.org 主な改善点は... ・Open CL 上でのパフォーマンスを改善 ・インポートダイアログで、サブディレクトリの検…

L*a*b* でも広いダイナミックレンジ画像の処理には問題はない?

darktable は、新しいワークフローではシーン参照ワークフローを採用しており、従来のディスプレイ参照ワークフローからシーン参照ワークフローに切り替えることを推奨しています。また RawTherapee から派生した ART もシーン参照ワークフローを採用してい…

次期 darktable にカラーゾーンの代替、カラーイコライザーが載る

darktable に色を補正するツールの一つ、カラーゾーンというモジュールがあります。 現行のカラーゾーン モジュール このパターンのカラー補正ツールは、メーカー製のRaw現像ソフトにもよく搭載されています。ただ、darktable のシーン参照ワークフローで標…

darktable 4.6 リリース

darktable の次期バージョン、4.6 ですが、ソースコードベースでは、12/21 に公開されました。バイナリーの公開は、12/24になるようです。いち早く試したい方はセルフ・コンパイルでどうぞ。 discuss.pixls.us ... と思ったら、バイナリーも先ほど (日本時間…

darktable シグモイド・モジュールと共に使える 富士フイルムエミュレーション LUT

pixls.us における darktable のオンラインディスカッションを見ていたところ、darktable のシグモイド・モジュールと共に使える富士フイルムエミュレーション LUT に関する議論がありました。 discuss.pixls.us 発言主、 Nico Kaiser 氏によりますと、Stuar…

Avid Andrew氏による darktable チュートリアル

以下のページに、Avid Andrew氏による darktable チュートリアルがあります (英語)。 avidandrew.com 大きく分けて、基本編と効果編に分かれています。以前のディスプレイ参照ワークフロー(Labベース) とシーン参照ワークフローでの結果比較なども出ていて興…

darktable でオリンパスの Rawファイルが緑色がかる.. というディスカッション

pixls.us の darktable のオンラインディスカッションで、Olympus E-M5 III の Rawファイルが緑がかるというスレッドが立っています。 discuss.pixls.us ただ、このディスカッション、だんだん話題が拡大して、色のキャリブレーションの仕方などにも広がって…

darktable 4.x - 画面構成について

GUI対応のフリーウェアのRaw現像ソフトの代表格しては、 RawTherapee、ART、そして darktableが挙げられると思います。個人的には、元々RawTherapeeを主に使っていましたが、現在は日本語翻訳を担当している ART を主に使用しています。インターフェースの分…

darktable および digikam がバージョンアップ

pixls.us のサイトが落ちている間に、darktable と digikam がバージョンアップしたようです。 darktable は 2023.7.22 に 4.4.2 にバージョンアップしています。 www.darktable.org いままで、メジャーアップデートが年2回、マイナーアップデートがあっても…

darktable および RawTherapee のホームページが復帰

pixls.us の Pat David によってメンテナンスされてきた、darktable と RawTherapee のホームページが、pixls.us のサーバ故障とともに飛んでしまったことをお伝えしましたが、本日復帰したのを確認しました。 最後に残るのはオンラインディスカッションです…

darktable 機能解説: トーンイコライザー (Ver. 4.4.1 準拠)

トーンイコライザーとは、イメージのシャドウからハイライトに掛けて明るさ別にゾーンを区切ったマスクを掛けた上で、そのゾーンごとに明るさを調整するツールです。要はイメージのコントラストを調整する機能です。darktable ではトーンカーブを代替するツ…

RawTherapee および darktable のサイトもダウン

pixls.us のサーバーがハードウェアトラブルで停止しているとお伝えしましたが、pixls.us の主宰者、Pat David 氏がメンテナンスを行っていた RawTherapee のサイトと darktalbe のサイトも同様にダウンしています。同じサーバーを使っているようです。 gith…

Raw 現像の比較: OM-D E-M1 iii 色収差補正 darktable vs. ART vs. NX-Studio

darktable は2022年末のバージョンアップ 4.2.0 から 一部カメラ機種の Raw ファイルから、Exif データに記録されたレンズ補正データを読み込んだレンズ補正に対応しています。 4/3 およびマイクロ 4/3 規格のカメラは早くから、レンズ補正プロファイルデー…

darktable 4.4.1 がリリース

6月末に 4.4.0 がリリースされたばかりですが、7/1 に そのバグフィックス版の 4.4.1 が早速リリースされました。 詳細は以下をご覧ください。 www.darktable.org なお以下に、darktable 4.4 バージョンアップの7つの主要な特徴が紹介されています。 www.yo…

darktable 4.4.0 リリース および GIMP 開発版 2.99.16 がもうすぐ出そうです

例年7月末にアップデートされている darktable が 早めに、6/23 にアップデートされました。今回バージョンは 4.4.0 です。 www.darktable.org 大きな変更として、1つの編集モジュールに対し複数のプリセットを割り付けられるようにしたことと、今まで darkt…

darktable のホワイトバランスは強い色被りでも補正可能?

darktable のオンラインディスカッションを見ていたら、強い赤い色被りしている画像から、色被りを除去できないかという相談がありました。 discuss.pixls.us その議論の中で、darktable のホワイトバランスは強力なので、強い色被りでも結構回復できると事…

darktable 機能解説: 拡散 / シャープ化 (Ver. 4.2.1 準拠)

本モジュールは、画像をシャープにしたり、逆にノイズを減らしたり(拡散) をコントロールするモジュールですが、パラメータ設定 (& 名称も) が極めて非直感的であり、マニュアルを読んでも何のことやら非常に理解に苦しむ難関モジュールです。Ver. 3.8.0より…

darktable 機能解説: カラールックアップテーブル (Ver. 4.2.1 準拠)

darktable で任意の色に変更させるモジュールです。L*a*b* 色空間で動作します。 シーン参照ワークフローでは、推奨モジュールではないので、本モジュールは、モジュール名を入力して検索して呼び出してください。呼び出されると下記のようなダイアログが現…

darktable 機能解説: カラーゾーン (Ver. 4.2.1 準拠)

darktable のカラーゾーンモジュールは、基本的には多くの Raw 現像処理ソフトにあるモジュールと同じで、NX Studio であれば LCH エディタ、OM Workspace であれば色調整 (但しUIは円状で異なります)、ART や RawTherapee であればカラーイコライザと同様で…

darktable 機能解説: シグモイド (Ver. 4.2.1 準拠)

シグモイド・モジュールは、2022.12の Ver. 4.2.0 から新たに正式に導入された、シーン参照からディスプレイ参照へトーンマッピングを行うモジュールです。同様のトーンマッピングを行うモジュールにはフィルミックRGBやベースカーブ (ディスプレイ参照ワー…

darktable 機能解説: カラーバランスRGB (Ver. 4.2.1 準拠)

darktable の標準的カラー調整モジュールの中でも一番分かりにくいのがこのカラーバランス RGB です。マニュアルには、カラーグレーディング (演出的調色) 編集を行う際に、最初にスタートポイントとなる画像を作るために、色被りなどを補正して、色調に誇張…

darktable 4.2.1 初心者向けシーン参照ワークフロー簡単スタート設定

[ご注意] 2023.7.15頃から、下記記事に紹介している pixls.us のサーバーがダウンして、ファイルがダウンロードできなくなっています。復旧までお待ちください。 [続報] 2023.7.26に復旧しました。 ------------------ darktable は非常に柔軟にいろいろな設…

darktable 機能解説: カラーキャリブレーション (Ver. 4.2.1 準拠)

darktable のカラーキャリブレーションは、画像の色被りの修正やホワイトバランスを調整する中核的なモジュールとされています。基本的には本モジュールを使い、ホワイトバランスの取れた「正常な」画像になるよう色を調整することが想定されており、その上…

darktable で出力カラープロファイルを指定する

darktable で出力するカラープロファイルはどのように指定すればよいかとの質問が出されていました。この方は eciRGBという形式で出力したいということでした。 discuss.pixls.us 結論から言うと、これを指定する icc プロファイルを $DARKTABLE/share/darkt…

Raw現像ソフト 色収差補正比較 再び: AF-P Nikkor 70-300mm F4.5-6.3 による画像を使って (付 NX Studio で色収差補正を行う際の注意点)

レンズが光学的補正よりもデジタル的補正を前提とするようになってきた、というお話を先日紹介しましたが、それもあって再度レンズの色収差補正の比較を行ってみたいと思います。今回は、Nikon の AF-P Nikkor 70-300mm F4.5-6.3を使ってみます。ワイド端の7…

darktable 編集 Tips: フィルミック RGB でクロミナンスは保持しない方が良い?

datktable のオンラインディスカッションで、フィルミック RGB ではクロミナンス保持は No を選択した方が色がナチュラルになるのではないかという議論が出ています。 discuss.pixls.us フィルミック RGB クロミナンス保持オプション(デフォルトは RGBパワー…

darktable で簡単に使える画像を得る方法

darktable のオンラインディスカッションの中で、最近の物価高で Lightroom から darktable への乗り換えを検討している方からの提起で、なぜ darktable はカメラ内現像の絵を起点としないのか、というスレッドが立っています。そのなかでゼロから絵作りを要…