省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

ART / CTL プログラミング

ART / CTL スクリプトのインストール方法

ここで、CTL スクリプトのインストール方法をまとめておきます。 ■ カラー/トーン補正の モードから直接選択させたい場合 このファイルを ART の各ユーザの設定ディレクトリの下の ctlscripts ディレクトリにコピーしてください。ディレクトリが見当たらなけ…

ART 対応 CTL スクリプト: RGB シグモイドバージョンアップ (Ver. 1.3)

今年2月に、本スクリプトをリリースしました。 yasuo-ssi.hatenablog.com 今回このスクリプトをバージョンアップし、Ver. 1.3 としました。今回のポイントですが、最初にリリースしたときのこのツールの目的は、色あせで大きくカラーバランスが崩れてしまっ…

ART / CTL プログラミング Tips: OKLab と L*a*b の取る値の範囲

全く個人的なメモですが... CIE L*a*b* の値を取る範囲は、 L* 0 ~ 100 a*, b* は 明確な範囲が決まっていないようですが、概ね -100 から 100 の間に収まるようです。 それに対して、OKLab では、 L*: 0.0 〜 1.0 a*, b* は、-0.5 〜 +0.5 の範囲を取るとい…

ART / CTL プログラミング Tips: ツールチップには "<" ">" は使うな!

久しぶりの ART / CTL プログラミングの Tips です。今の所 ART 用に、CTL スクリプトプログラミングをやっている人は世界中で私を含め3人しかいないので、ほぼ自分用の備忘録ですが... 以前 CTL スクリプトの UI にツールチップを加えたところ、なぜか正し…

自作 RGB シグモイドスクリプトにおけるシグモイド曲線の実装

シグモイド曲線とは、以下のシグモイド関数によって求まる S 字状の曲線です。 シグモイド関数 Sigmoid 関数a: ゲイン引用元: Wikipedia この式で、x は入力値、a は、ゲインと呼ばれ、S字部分の傾斜を決定します。また、e はネイピア数です。 この式に基づ…

ART 対応 CTL スクリプト: RGB シグモイド / 褪色フィルム画像補正テクニック

今回は、個別のヒストグラムのパターンに応じて、RGB シグモイドのパラメータをどう動かしたらよいかについて説明していきます。 まず前回のサンプルファイルを見てみましょう。サンプルファイルの引用元は前回の記事をご覧ください。 サンプルファイルとヒ…

ART 対応 CTL スクリプト: RGB シグモイド 褪色フィルム画像補正例

今回は、先日公表した拙作の RGB シグモイド CTL スクリプトを使った褪色フィルム画像の補正例を例示します。 サンプルファイルは、pixls.us の Play Raw ディスカッションから、Ofnuts 氏が投稿したファイルを使用して例示します。 discuss.pixls.us 画像の…

ART 対応 CTL スクリプト: RGB シグモイド

ART に対応する CTL スクリプト、RGBスクリプトを作成、公表しました。 ■このスクリプトの開発目的 本スクリプトは、主に褪色したフィルムや写真プリントをスキャンした画像の修復編集をより効率的に行えるようなツールを提供することを目的に開発しました。…

Griggio氏作成 CTL スクリプト解読: RGB <> HSL 相互変換

Alberto Griggio 氏作成の CTL スクリプトですが、簡便でコンパクトなので、画像処理の基本アルゴリズムを勉強するのに良い教材になります。という訳で、備忘録として、個人的に読み込んだ結果をメモとして残していきます。 初回は RGB と HSL の相互変換で…

ART 機能解説: CTL スクリプト翻訳機能 (Ver. 1.24.2 導入新機能)

Ver. 1.24.2 から導入された新機能です。このバージョンから、本体とは別に、CTL スクリプト独自の翻訳ファイル & 機能が導入されました。 CTL スクリプトは、ユーザ設定ディレクトリの下に ctlscripts ディレクトリを作成しその下に CTL スクリプトを置くと…

ART対応 相対色領域補正 CTL スクリプト ガンマ補正版 Ver. 1.0 リリース

先日、 相対色領域補正 CTL スクリプト Ver. 3.3 をリリースしましたが、今回このスクリプトの別のバージョンを作成しました。既存バージョンの色補正方法は、ユーザが指定した値を加算または減算して調整するというものでした。今回のバージョンでは加・減…

ART対応 相対色領域補正 CTL スクリプト Ver. 3.3 アップデート

先日、Ver. 3.2 を公開したばかりの 相対色領域補正 CTL スクリプト ですが、一つパラメータを追加したバージョン、Ver. 3.3 をリリースします。 追加したパラメータは以下です。 マスクのガンマ調整パラメータ 今まではマスクのガンマ調整を行うパラメータ…

ART CTL スクリプト: チャンネル再構成 Ver. 1.2 バージョンアップ

先日公開した、自作の ART 用 CTL スクリプト、チャンネル再構成 スクリプトをバージョンアップします。このスクリプトの主要目的の一つは、 ART だけで、比較的軽度な不均等黄変フィルムの補正を行おうというものでした。CTL スクリプトでできることの仕様…

ART対応 相対色領域補正 CTL スクリプト Ver. 3.2 アップデート

先日、Ver. 3.1 として修正した 相対色領域補正 CTL スクリプト ですが、実際に褪色したフィルム画像の補正に使うと、どうもうまく効果的に補正できないケースが散見します。特に画像によってはシャドウ~ブラック領域で過剰に補正されるケースが見られます。…

ART対応 相対色領域補正 CTL スクリプト Ver. 3.1 アップデート

9月にアップデートした当スクリプトですが、B チャンネル再建法ツールのアルゴリズムをいろいろ検討するうちにやはりマスクは知覚的データに基づいて作成するのがどうも適切であるように思えてきましたので、アルゴリズムに手を入れました。 マスクは基本的…

ART対応 相対色領域 RGBカーブ CTL スクリプト バグ修正版公開

9月に、ART対応 相対色領域 RGBカーブ CTL スクリプトを公開しましたが、バグがありました。マスクの計算にミスがあり、補正値が過大に乗算され、データクリップのためアーティファクトが発生していましたが、修正しました。バージョンは 1.1 としました。 …

ART / CTL プログラミング Tips: ライブラリの作成とその呼出

ART の CTL スクリプトでは、他のスクリプトから呼び出すライブラリ・スクリプトを作成することができます。このライブラリ・スクリプトは ART への UI コマンドを含まず (含んでいるとエラーになる)、かつファイル名が _ (アンダースコア) で始まる必要があ…

ART対応 CTL スクリプト: チャンネルミキサー (新しい UI 採用)

自作の ART 対応 CTL スクリプト、チャンネルミキサーを公開します。ART は darktable とは異なり、マスクを使った編集が可能になるローカル編集ツールの数が限定されています。しかし、CTL スクリプトを作成するとそれらにローカル編集を適用することができ…

ART対応 相対色領域 RGBカーブ CTL スクリプト

昨年末以降ART用相対色領域補正 CTL スクリプトを作成し、公開していますが、今回その派生ツールを作成し、公開します。 基本的には、色領域の指定の仕方は、相対色領域補正 CTL スクリプトと同じですが、色調整に ART Ver. 1.23 から拡張された機能を使って…

ART対応 相対色領域補正 CTL スクリプト Ver. 3

今年 2月にアップデートしましたART用相対色領域補正 CTL スクリプトを今回アップデートします。今回 Ver. 3 とします。 今回のアップデート内容ですが、 1) 彩度 (Saturation) 調整のスライダーを新設 2) 傾きに対するツールチップの日本語化です。 相対色…

ART対応 相対色領域補正 CTL スクリプト アップデート版

昨年末にリリースしました ART用相対色領域補正 CTL スクリプトを今回アップデートします。 今回のアップデート内容ですが、 1) ダイアログ上のパラメータ調整項目の配置の見直し 2) 補正量に対するガンマ調整の新設 ([ガンマ補正] メニュー、従来はガンマ 2…

CTL プログラミング Tips: 行列を扱う組み込み関数

CTL は C / C++ のサブセットになっていますが、仕様が拡張されている部分もあります。C / C++ の標準ではない組み込み関数が用意されています。今回は行列を計算する組み込み関数を紹介します。 https://ampasctl.sourceforge.net/CtlManual.pdf ■行列を計…

CTLスクリプトでツールチップをサポート

ART の新バージョン、1.21.1 から CTL スクリプトでツールチップがサポートされます。 discuss.pixls.us 基本的には今までのスライダーやチェックボックス等のアイテムの定義の最後の引数として、ツールチップの文章を入れるとツールチップとして表示できま…

CTL プログラミング Tips: モジュールに配置する UI 要素の順番指定

ART の CTL プログラミングでは UI 要素として、 // @ART-param: [... コントロール文で、モジュールのコントロール要素を配置することができます。このコントロール要素を配置する順番ですが、プログラム上の // @ART-param: [... コントロール文 の順番で…

CTL プログラミング Tips: CTL の仕様の制約

CTL は基本的に C / C++ 言語のサブセットになっているようです。当然ながら C 言語で使える仕様がすべて使えるわけではなく、かなり限定されたものになっています。既に文字型変数は使えないという指摘はしておきましたが、詳しい説明は以下の説明書にあり…

CTL プログラミング Tips: そもそも CTL で何ができるか

いきなり細かい Tips に入ってしまいましたが、そもそも CTL で何ができるのか、明記しておきます。 CTL は色空間変換と、個々のピクセル単位の色の操作に特化した言語です。逆にそれ以外のことはできません。例えば、ピクセル全体の値を合算して何かの値を…

相対RGB色マスク画像作成ツール ART 移植版 ("相対色領域補正" CTL スクリプト)

[お知らせ] このツールの最新版は以下からダウンロードして下さい。なお、2タイプあります。作るマスクは同じですが補正方法が異なります。必要に応じて使い分けてください。 yasuo-ssi.hatenablog.com yasuo-ssi.hatenablog.com ----------- さて、本年も…

ART / CTL プログラミング Tips: 引数の指定で注意すべきこと

これから、ART Ver. 1.21 からサポートされた CTL によるプログラミングについて気付いたことを、気が向いたときに書いてみたいと思います。 今回は、関数における引数の指定についてです。まず典型的な関数の宣言パターンですが... voidadjustExposure(outp…

ART Ver. 1.21 新機能: CTL スクリプトサポート

ART Ver. 1.21 から搭載された CTL に関して、公式サイトの以下のページに説明があります。 art.pixls.us 本記事では、上記記事の CTL スクリプト説明部分の日本語訳を掲載します。 ----------- [お知らせ 2024.9] オリジナル記事では、2024.8.25 に float型…