省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

旧形国電

元帝国車輛製クハ55 信越線のクハ68102 (蔵出し画像)

こちらは信越線にいた関西向け準戦時設計クハ55改造のクハ68です。スノープラウが設置された以外はほぼ京阪神緩行線時代のままの姿です。なお、本車は元々偶数車でしたが、信越線入線時に、トイレなしクハ68は原則奇数向きで使われていましたので、方向転換…

大糸・中央西線で活躍した数少ない原形 クハ55049 (蔵出し画像)

ここのところ関西のオレンジ色の電車の紹介が続いたので、今回はスカイブルーの中央西線・大糸線から。 大糸線は17m車を淘汰した際、主として首都圏から捻出された40系が投入されました。その後クモハ41は後により出力の大きいクモハ60か、あるいはセミクロ…

唯一の半流クハ58を4扉化した 片町線クハ79055 (一部蔵出し画像)

今回ご紹介する車はモハ43系の珍車中の珍車、狭窓43系中唯一の半流線型、クハ58025の後身であるクハ79055 (大ヨト)です。写真は1976年3月、片町線 (今は通称学研都市線となり、終着の片町駅もなくなってしまいましたが...) で最後の活躍を続けるクハ79055の…

阪和線の日常を支えていた普通のクモハ60 クモハ60053 (蔵出し画像)

こちらは、1970年前後から新性能化完了まで阪和線の日常を支えていた普通のクモハ60、クモハ60053 です。 1960年代前半の阪和線では、快速用の70系を除くと、阪和社型のクモハ20、クハ25が主流でした。例えば 1961年の鳳電車区の配置輌数を見ると、モハ70、 …

関西国電始源の1輌、41005を出力強化した阪和線 クモハ60153 (蔵出し画像)

こちらは阪和線で活躍していたクモハ60153です。関西国電始源の元モハ41の1輌で、元番号は41005でした。残念ながら中間に挟まれていたので正面を撮ることはできませんでした。依然ご紹介したクハ55071 とコンビを組んでいました。 クモハ60153 (天オト) 197…

青梅、五日市線の増結用だったクモハ40073 (蔵出し画像)

青梅線の旧形国電がなくなるという情報を鉄道誌で知って、慌てて駆け付けた青梅線での撮影です。クモハ40は青梅線では青梅以西には入らず、青梅ー立川間および五日市線の朝夕の増結に限定され運用されていました。青梅線では 17m 車時代は、17m 車も奥多摩ま…

珍しく PS-11 をつけていた飯田線のクモニ13025 (蔵出し画像)

本日ご紹介するのは、飯田線にいたクモニ13です。クモニ13は主として荷3運用に就いていて、クモニ83と連れ立って運用されることが多かったように思います。 クモニ13にはいくつかのグループがあり、大阪にいたクモニ53を改番したもの (写真は撮れませんでし…

改造後前面貫通路引き戸が改修しなおされた阪和線のクハ55303 (蔵出し画像)

本日ご紹介するのは、阪和線で使われていたクハ55303です。クハ55300代車はサハ57から改造されたものですが、そのうち初期の300~319 までは常磐線の分割併合用に改造されたもので、正面貫通扉はオリジナルの客用引き戸貫通扉を転用するなどの特徴がありまし…

大糸線のトイレ付サハ57改造車 クハ55432 (蔵出し画像)

大糸線には、17m車を20m車に置き換えるために、1960年代後半、関東から多数の40系が転入してきました。後にその際に電動車の主流だったクモハ41はより出力の高いクモハ60、もしくは同じ出力でも乗客サービス向上につながるセミクロスシートのクモハ51、さら…

1980年前後の国鉄車輛 フ 表記のナゾ

以前、当ブログで大糸線の車輛について謎の フ という表記があると書き込んだところ、読者の原口様から、それは塗料に関する表記であるとのご教示を頂きました。 yasuo-ssi.hatenablog.com 当時、長野工場と浜松工場全検施工車の特徴であり、フは車輛塗装に…

ヘッドライトが埋め込み式だった新潟地区で活躍した クハ68084 (蔵出し画像)

本車は新潟地区で活躍した元クハ55のクハ68です。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、前照灯 250W 化後も、一応埋め込みヘッドライトが維持されていた車輛です。おそらく新潟地区のクハ68の中では唯一の存在だったかと思われます。 1962年の新潟地区電車…

東京配備後すぐ関西にやってきた 信越線クハ68099 (蔵出し画像)

本車は元クハ55 をセミクロス化したクハ68です。ちょっと珍しいのは前面運転台窓が H ゴム化されていないのに、側面の戸袋窓が H ゴム化されています。普通はまず運転台窓を H ゴム化しても側面戸袋窓までは H ゴム化されていないケースが多いのですが、本車…

1976年度 片町線新性能化計画に伴う旧形国電廃車計画

1976年に、片町線が新性能化されることを知って当時片町線を担当していた淀川電車区に問い合わせていただいた資料です。 84輌の冷房つき 103系を新製し、半分を大阪環状線 (森ノ宮区) に、半数を首都圏に投入し、新製の冷房つき 103系と 首都圏から捻出した…

余剰サロ85を70系用制御車に改造した クハ77003 (蔵出し画像)

戦前形旧形国電を主として紹介してきましたが、今回は戦後製の旧形国電です。新前橋区にいたクハ77003です。本車は元々 サロ85 でしたが、80系の地方転出に伴い余剰になった サロ85 を、地方転出に伴い不足していた 70系用制御車として転用した変わり種です…

凍てつく冬の辰野駅に佇む飯田線クモハ54127

下の写真は、凍てつく厳冬の辰野駅に進入するクモハ54127 です。茅野発平岡行き238Mとして6 輛編成でやってきました。以前掲げたことのある写真ですが再編集しました。 クモハ54127 (静トヨ) 1978.1 辰野 この日クモハ54127は豊橋機関区53運用についていまし…

運転台が全室に改造されていた元クロハ59 長岡運転所の クハ68005 (蔵出し画像)

本車は既にご紹介したクハ68021 と同じく元43系の一員クロハ59を改造したクハ68です。戦前に既に3扉化改造されています。本車はクハ68021よりやや遅れて新潟に来たため、運転台窓が両方とも H ゴム化されています。運行灯窓もおそらく Hゴム化されたものと…

改造後一時 55440 の番号を振られていた 大糸線のクハ55439 (蔵出し画像)

大糸線に クハ55 は数多く在籍していましたが、その多くはオリジナルのクハ55ではなくサハ57を改造したクハ55をさらに便所つきに改造したものでした。本車はその中の1輌、クハ55439 です。実はこの車輛、便所つきに改造された当初はクハ55440とされましたが…

助士席側運転台窓が2段のまま残されていた阪和線 クモハ60004 (蔵出し画像)

今回は阪和線の クモハ60004 です。阪和線のクモハ60 の多くは、関東のクモハ60の一大拠点であった常磐線の新性能化に伴って、旧阪和形の社形国電クモハ20の淘汰のためにやってきた車輛です。旧阪和形は、天王寺ー和歌山間を高速で結ぶため、当時としては非…

新前橋区の救援車 クモエ21005 (蔵出し画像)

今回は、新前橋電車区にいた クモエ21005 です。 クモエ21005 (高シマ) 1977.5 新前橋電車区 こちら逆光になってしまい、写真としては失敗なので、今まで公開を躊躇してきましたが、記録としてお見せします。当時逆光の場合露出を開け気味に撮るということも…

青梅線の最古参 クモハ40033 (一部蔵出し画像)

自分がなぜ旧形国電ファンになったのかを思い返してみると、片野正巳さんが書かれた『陸蒸気からひかりまで』という1:150スケールで描かれた国鉄車輛イラスト集が思い当たります。当時の男の子たちのご多分に漏れず蒸気機関車が好きでした。とはいえ当時お子…

沼津区にいた牽引車クモヤ22202 (蔵出し画像)

本日は2/2ということで 2 の数字が連続する車輛を紹介します。しかも最初に製造されてから今年で100年目です。 こちらは沼津機関区に牽引車として在籍していた クモヤ22202 です。といってもクモニ13 を改番しただけで外観上は全くオリジナルのクモニ13と区…

客室内のニス塗りが維持されていた信越線のクハ68056 (蔵出し画像)

本車も信越線で使用された原形クハ68で、元番号はクハ68019でした。本車に関しては、関西から中央西線電化で名古屋地区に移り、さらに 73系の転入で信越線長野地区に移った車両ですが、名古屋地区のクハ68の多くが客室内ペイント塗りつぶしになっていたのに…

阪和線にいたクモハ60 トップナンバー クモハ60001 (蔵出し画像)

2024年新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 ところで本日は 1 月 1 日ということでそれにちなんでトップナンバーの車輌をご紹介します。クモハ41を出力強化して、1939年に登場したクモハ60のトップナンバー、クモハ60001 …

常磐線 増解結用に改造されたクハ55 のトップナンバー クハ55300 (蔵出し画像)

今でも強く感じられることですが、首都圏と関西圏では人口規模が大きく異なります。そのため、40系の中間付随車であるサハ57は首都圏のみに新製投入されました。1950年前後に首都圏の混雑のひどい国電区間は基本的に20m 4扉車 (および一部 17m 3扉車) に統一…

ノーシルノーヘッダーのクハニ67から改造された 飯田線 クハユニ56002 (蔵出し画像)

本車は長年にわたり飯田線で小荷物・郵便輸送に大活躍した車輛です。1日に豊橋ー辰野間の長距離の往復を繰り返していました。1978年に80系が投入される前までは、豊橋機関区の40番台運用を担当し、クモハ42もしくは50と組み、McMcTpgc の3両編成で飯田線を…

仙石線経由で入ってきた信越線クハ68052 (蔵出し画像)

さてこちらは主として信越線で使用されたクハ68で、元々クハ68として製造された原形クハ68グループの1輌です。信越線で、クハ76の不足を補うため、70系とともに使われたクハ68は、中央西線経由で入った車両が多かったのですが、本車はクハ68090とともに仙石…

関西生まれのノーシルノーヘッダー車 阪和線のクハ55071 (蔵出し画像)

1940年に登場したモハ41の後継は出力強化したモハ60となりましたが、同時に資材節約のためノーシルノーヘッダーというすっきりした姿で登場しました。このノーシルノーヘッダーのモハ60の相手となる1940年に登場したクハ55もノーシルノーヘッダーで登場しま…

鷹取工場施行クハ58を4扉化した片町線クハ79054 (蔵出し画像)

43系の制御車、クハ58は総数25輌中、戦時中の1944~45年にかけて過半数の13輌が4扉車に改造されました。当初全車施工の予定でしたが資材不足等でこの数にとどまりました。とはいえ、かなりの数が4扉化されてしまいました。 この写真を撮りに行った1976年3…

やはり中央西線経由で新潟地区にやってきた クハ68050 (蔵出し画像)

本車は以前ご紹介したクハ68044と同様に中央西線経由で長岡にやってきた車輛です。このため車歴も非常に似ていますが、クハ68044は運転台窓のHゴム化が施行されていなかったのに対し、本車はHゴム化と関西型通風器の設置が行われていました。おそらく、本車…

20m級4扉通勤電車の始祖・戦時4扉化試作改造車 片町線クハ79056

本日ご紹介する旧形国電車輛は、かつて片町線で使われていたクハ79056です。と言っても、63系のクハ79とは異なります。本車は42系2扉車の4扉改造車の先鋒です。同時に4扉車の元祖・源流であり、のちのモハ63や101, 103, 201, 203, 205系、そして今日の209, 2…