省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

Bチャンネル再建法

最難関クラス 不均等黄変ネガフィルム画像の B チャンネル再建法による補正過程

こちらの画像は、今まで補正を試みた不均等黄変フィルムスキャン画像中、今のところ最難関クラスの画像です。フィルム補正界のアイガー北壁でしょうか。元々の画像は adobe の ユーザーコミュニティにアップされたものですが (手持ちのネガにはこれほど難易…

黄変ネガ写真補正 Bチャンネル再建法ツール Ver. 5.5 (リリース版) を使った、削減した黄色味の復元実験

Bチャンネル再建法ツールの改良をここのところ重ねてきましたが、一体、Bチャンネル再建法ツール Ver. 5.5 を使うとどこまで本当にオリジナルを復元できているのか、実験してみました。正常な画像に一旦 B チャンネル再建法ツールを適用して、黄色を削減した…

決定版! 不均等黄変・褪色ネガ写真のデジタル補正術 (6a) - 追加補正 (ART 全面使用版)

本記事は、決定版! 不均等黄変・褪色ネガ写真のデジタル補正術 (6) - 追加補正 の、ART用相対色領域補正 CTL スクリプトを活用しフリーの Raw 現像ソフト ART のみを使った追加補正方法を解説したバージョンです。 -------------------- 目次 1. 本連載記事…

決定版! 不均等黄変・褪色ネガ写真のデジタル補正術 (6) - 追加補正 (2024.1 Ver. 5.5 対応バージョン)

お知らせ 本記事は 2024年1月に改訂した新バージョンです。なお B チャンネル再建法ツールの進歩により、追加補正の説明に関してより簡略化し、(6-1), (6-2) の内容も統合しました。以前の記事をご覧になりたい方は以下のリンクからどうぞ。 ・2023.2 バージ…

相対RGB色マスク画像作成ツール ART 移植版 ("相対色領域補正" CTL スクリプト)

さて、本年も余すところあとわずかとなりましたが、皆さまにとって今年はどんな年だったでしょうか。 ところで、ImageJ プラグインとして相対RGB色マスク画像作成ツールを本サイトで公開していますが、今回、ART Ver. 1.21 で新たにサポートされた CTL を使…

決定版! 不均等黄変・褪色ネガ写真のデジタル補正術 (5-2a) エキスパートモードメニュー解説 (2023.12版)

・5-2. 決定版! 不均等黄変・褪色ネガ写真のデジタル補正術 (5-2) に戻る --------- 【Ver. 5.5以降対応版】(前バージョンはこちら) ここでは、ImageJ対応 Bチャンネル再建法補正ツールのエキスパートモードのパラメータ設定方法について説明を行います。 な…

決定版! 不均等黄変・褪色ネガ写真のデジタル補正術 (5-3a): 黄色を残す部分の編集方法

本記事では、B チャンネル再建法ツール Ver. 5.5 から追加した、近景補正レイヤー用マスクにおいて、黄色い部分に補正を適用せずに生かすための編集を行うために追加した、黄色保全編集用イメージを用いた、マスク編集の方法について解説します。 まず今回の…

決定版! 不均等黄変・褪色ネガ写真のデジタル補正術 (5-2) (2023.12 Ver. 5.5 以降対応版)

お知らせ 当記事は、2023年12月24日にアップデートした、ImageJ用プラグイン (Ver. 5.5) 対応版です。過去のバージョン記事を読みたい方は以下のリンクをクリックして下さい。 (2023年2月記事) Ver. 5.x 対応 (出力ファイル名変更) (2022年7月記事) ハイブリ…

決定版! 不均等黄変・褪色ネガ写真のデジタル補正術 (5-3) (2023.12 Ver. 5.5以降 対応版)

目次 1. 本連載記事の概要 2. 今まで紹介されてきた経年劣化による変褪色写真の補正術 3. 写真補正の原理 4. Bチャンネル再建法による不均等黄変・褪色ネガ写真補正の方法 5-1. 具体的な補正実施手順 - 準備 5-2. 具体的な補正実施手順 - ImageJによる作業 5…

黄変ネガ写真補正 Bチャンネル再建法ツール Ver. 5.5 リリース

11月に本ツールをバージョンアップして褐色補正レイヤーを追加しました。今回、その後さらに見直してさらにいくつかの大きな変更を付け加えました。特に出力するレイヤー構成を再度見直したため、今回 GIMP 用のファイル読み込みプラグインの更新も必要にな…

Bチャンネル再建ツール試作実験: 黄色味を徹底削減した画像からオリジナルの黄色味をどこまで戻せるか?

現在、次期 B チャンネル再建法ツールのバージョンアップ(Ver. 5.5)に向けて、色々なアルゴリズムの試験を行なっています。 以下は、植物の緑の黄色味を戻すアルゴリズムの検討ですが... オリジナルのデータではなく、一旦補正をかけ黄色味を減らした B チャ…

ImageJ対応 相対RGB色マスク画像作成ツール Ver. 0.53 バージョンアップ

10月に本ツールをバージョンアップしましたが、再度バージョンアップします。 ■バージョンアップ内容 ・モノクロ単チャンネル画像対応 モノクロ単チャンネル画像に対応するようにしました。実は以前対応していたのをその後外していました。今回再度復活しま…

決定版! 不均等黄変・褪色ネガ写真のデジタル補正術 (5-3) (2023.11 Ver. 5.4 対応版)

[お知らせ] 本記事の、Ver.5.5対応版は以下をご覧ください。 yasuo-ssi.hatenablog.com 目次 1. 本連載記事の概要 2. 今まで紹介されてきた経年劣化による変褪色写真の補正術 3. 写真補正の原理 4. Bチャンネル再建法による不均等黄変・褪色ネガ写真補正の方…

黄変ネガ写真補正 Bチャンネル再建法ツール Ver. 5.4 リリース

10月により黄色味の削減能力を高めた Ver. 5.3 をリリースしました。かなり徹底的に黄色味を取るようになりましたが、逆に黄色味が取れすぎなのが気になるようになりました。特に茶色、褐色の黄色味が取れてかなりマゼンタに傾きます。そこでちょっと対策を…

ImageJ対応 相対RGB色マスク画像作成ツール Ver. 0.52d バージョンアップ

7月に本ツールをバージョンアップしましたが、今回マイナーバージョンアップします。 ■バージョンアップ内容 ・バグフィックス 丸め誤差のため、画像中ホワイトポイントを取るピクセルを選択範囲に含めることができない場合があるのを修正しました。 よろし…

Bチャンネル再建法ツール Ver. 5.3 を使った黄変画像補正過程例示

先日 Ver. 5.3のバージョンアップ紹介画面で使ったサンプルファイルの補正過程を参考までに例示してみます。 図1 オリジナル ImageJ を起動し、Bチャンネル再建法ツールを起動し上のファイルを読み込みます。 図2 ImageJ用 Bチャンネル再建法プラグインパラ…

黄変ネガ写真補正 Bチャンネル再建法ツール Ver. 5.3 Ver. up

8月初めに、ImageJ Ver. 1.54x に対応したVer. 5.21をリリースしましたが、さらにアルゴリズムを見直した Ver. 5.3 を今回リリースします。やはりユーザインターフェースの変更はありませんので、マニュアルページも多少の補訂を除いて新たに書き直すことは…

黄変ネガ写真補正 Bチャンネル再建法ツール Ver. 5.21 Ver. up (ImageJ Ver. 1.54*対応)

先月末に、黄変ネガ写真補正 B チャンネル再建法ツールを Ver. 5.1 にバージョンアップしてから、まだあまり時間が経っていませんが、先日お知らせしたようにImageJ 本体の Ver. 1.54へのアップデートにより問題が発生していますので、取り急ぎ Ver. 5.21 を…

拙作 ImageJ 対応写真補正ツール ご使用の方へ緊急のご連絡 (ImageJ 本体のバグ)

[追記] ImageJ 1.54 バージョンアップに伴う問題を解決したバージョンを以下に公開しました。旧バージョンをお使いの方はこちらと入換をお願いします。 yasuo-ssi.hatenablog.com なぜ不具合が出たのか知りたい方は以下の記事もご参照ください。 yasuo-ssi.h…

黄変ネガ写真補正 Bチャンネル再建法ツール Ver. 5.1 バージョンアップ

[お知らせ] これから当ツールの使用を考えていらっしゃる方は、以下の注意事項をお読みください。 yasuo-ssi.hatenablog.com ------------- 当サイトで、黄変ネガ写真補正 B チャンネル再建法ツールを公開してから3周年になりました。これに合わせて、4月…

ImageJ対応 相対RGB色マスク画像作成ツール Ver. 0.52 バージョンアップ

6月に本ツールをバージョンアップしましたが、引き続き今月もバージョンアップをします。といっても今回は機能面の追加はありません。但し、ユーザインターフェースを大幅に変えています。 ■バージョンアップ内容 ・コードの整理 今まで、旅館の増築のように…

黄変画像が、Bチャンネル再建法でうまく補正できないケース (全面的色被り中和方法を使う)

先日、既存の画像編集ソフトではなぜ不均等な黄変画像の修正が困難であることが多いのかについて論じました。今回は逆に B チャンネル再建法では黄変の補正が困難なケースについて見てみたいと思います。 Pixls.us のオンラインディスカッションを見ていたら…

人工物の色調補正に注意: マゼンタ補正

先日、黄変したネガフィルム画像 (ハーフサイズ2コマ連続) をBチャンネル再建法にかけ、掛けた後の画像が強くマゼンタ被りをしていましたので (下図) さらに、追加でマゼンタ補正を掛けようとしました。 元ファイル そこで、マゼンタ補正用マスクとして下記…

既存の写真編集ソフトだけでは黄変ネガ写真画像の補正が困難な理由

なぜ、既存の写真編集ソフトウェアだけでは、古いカラーネガをスキャンした画像によくみられる、不定形な黄変の補正が困難なのでしょうか。フィルムが全面的に均一に褪色している場合は、画像全体にかかるグローバル補正でOKです。しかし不定形黄変の場合は…

黄変ネガ写真補正 Bチャンネル再建法ツール Ver. 5.01 バージョンアップ

さて、先日バージョンアップした、黄変カラーネガ写真補正用 Bチャンネル再建法ツールですが、マイナーバージョンアップします。 主にバグフィックスが中心ですが、荒れた画像の処理で微妙に画質が向上しているはずです。とはいえ RGB 合成を行ったカラー画…

Bチャンネル再建法 技術解説: なぜ追加補正でシャドウ域のB値を引き下げる必要があるのか

Bチャンネル補正法で、黄変を除去した後、当サイトでお見せしている事例では、グローバルにあるいはマゼンタ、グリーン補正レイヤーで、Bチャンネルに対しトーンカーブを使って S 字カーブを掛けたり、あるいはシャドウ域の値を低下させることが多いと思いま…

黄変ネガ写真 Bチャンネル再建法 (ハイブリッドアルゴリズム) 補正過程事例 (8-1) - 相対RGB色マスクに対しガウスぼかしを掛ける

前回、黄変ネガ写真 Bチャンネル再建法 (ハイブリッドアルゴリズム) 補正過程事例 (8) をお見せしましたが、あとから考えて、部分的に手直ししたほうが良い部分が見えてきました。 まず、周辺補正レイヤー用マスク編集ですが... 前回、以下のようにマスクを…

黄変ネガ写真 Bチャンネル再建法 (ハイブリッドアルゴリズム) 補正過程事例 (8) - 色調調整に手こずったケース

最近の本ツールの進化で、カラーネガフィルム写真の黄ばみ・黄変自体が取り切れないというケースはほぼなくなってきています。9割程度はノービスモードで走らせて、あとは編集を工夫することで黄変は取れています。黄変の濃度が濃い場合や、かなり偏在してい…

Bチャンネル再建法 技術解説: なぜ補正量調整が必要な場合があるのか

Bチャンネル再建法ツールのエキスパートモードに補正量調整 [Correction Amout Adjustment] の項目があります。ここでマニュアルを設定すると、自分で補正量を入力して調整するようになります。 ところで、なぜ補正量をマニュアルで調整する必要がある場合が…

決定版! 不均等黄変・褪色ネガ写真のデジタル補正術 (6-2) (2023.2バージョン)

[お知らせ] この記事には以下の新版があります。 yasuo-ssi.hatenablog.com -------------- お知らせ 本記事は 2023年2月に改訂した新バージョンです。今回、事例1 と事例2 で異なった手法により追加補正を行うよう変えてみました。以前の記事をご覧になりた…