ファジー選択は先日紹介した色域選択のバリエーションです。色域選択は、デフォルトの状態では全画面のピクセルを踏査して、マウスで指定したピクセルの類似色の範囲をすべて選択しようとします。一方ファジー選択は、全画面のピクセルを踏査せず、マウスで指定したピクセルの類似色の範囲は、連続してつながる範囲のみを選択します。これはほぼ Photoshop の自動選択に相当する機能です。
ファジー選択を行う場合は、閾値やその他のパラメータを指定し、そして、基準とする色を含むピクセルをマウスポインタを使って指定します。すると閾値に基づいた類似色範囲内の連続した領域が範囲指定されます。
全画面を踏査しないので、指定したい範囲が局地的にとどまるものならば、計算時間も短くて済みますし、また関係ない部分が指定される可能性も減ります。一方飛び地状に指定した範囲が点在する場合は、一回のアクションで一度にすべての範囲を選択することはできません。
なお使用する際は、やはり選択範囲エディターを表示させておくことを推奨します。
上は色域選択ですが、画面上の類似色全領域が選択されています。
ファジー選択では、連続した範囲しか選択されません。但し、処理速度は早いです。
■ファジー選択で離れた複数の場所を選択する
ファジー選択で、複数の離れた場所を選択するには次のような手順に従います。
1. まず一箇所目をファジー選択で選択します。
2. 二箇所目以降を選択する際は、モードで[選択範囲に加える]を選びます(または、Shiftキーを押してから画面上でマウスポインタを使って選択)。
3. そして、二箇所目以降を選択します。
これにより、複数箇所の範囲指定が可能になります。
なお、選択範囲エディターを表示する方法、および、選択範囲を新しいレイヤーに転換して貼り付ける方法は、以下の記事をご参照ください。
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選択ツールの共通オプション (GIMP公式マニュアル)