省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

余剰サロ85を70系用制御車に改造した クハ77003 (蔵出し画像)

 戦前形旧形国電を主として紹介してきましたが、今回は戦後製の旧形国電です。新前橋区にいたクハ77003です。本車は元々 サロ85 でしたが、80系の地方転出に伴い余剰になった サロ85 を、地方転出に伴い不足していた 70系用制御車として転用した変わり種です。新前橋区のみに配置され、両毛線を中心に一部吾妻線でも使われました。

 70系に合わせて使用するために、ご覧のように 3 扉に改造され、ジャンパケーブルも2線になっています。なお、信越線長野地区、上・信越線新潟地区、中央西線・岡多線で使われた 70系は引き通し線は横須賀線を踏襲して 3 線で使われましたが (但し新潟地区では、クハ68に関しては、正面のジャンパ栓受けは 2 栓しかありませんでした)、新前橋区では、70系と40系の混結があったためか、2 線使用でした。但しクハ77 に関しては、3本目のジャンパ栓があるのが分かります。この写真でも確認できます。改造の際、他地区への転属を考慮していたものと思われます。またこの写真では暗くて不鮮明ですが、偶奇同仕様だったようで、奇数向きにも偶数向きにも連結できるようになっていたようです。おそらく他線区への転出も考慮しての仕様だったと思われますが、結局両毛線系統を離れることはありませんでした。

クハ77003 (高シマ) 1977.5 新前橋電車区

 本車は元番号が サロ85020 でしたが、1968年10月の両毛線電化に際して、1968.9 に改造されたようです。