省型旧型国電の残影を求めて

戦前型旧型国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

1983.8.21 飯田線さよならゲタ電運転

 こちらは、1983.8.21に撮影した飯田線旧型国電さよなら運転の写真です。飯田線の旧型国電は、1983年6月に引退しましたが、ファンのためのさよなら運転が、8.20-21の二日間にわたって行われました。旧型国電が留置されていた中部天竜から機関区のあった伊那松島まで、往復で運転された記憶しています。この写真には人気のあった「合いの子」クモハ53008が写っていますが、確か、さよなら運転のため、一旦解体のため浜松工場に入場していたものを、わざわざ呼び戻したというような話があったように思います。しかもこの写真後追いなのですが、ファンサービスのため、後ろ側の前照灯も点灯してくれていたのが分かります。国民のための国鉄ならではの心憎いサービスでした。

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図1. 1983.8.21 飯田線ゲタ電さよなら運転

 さてこの写真も例にもれず、不均等黄変していました。下がオリジナルの黄変した画像です。

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図2. オリジナル

  ここから、Bチャンネル再建法に掛けるために、ImageJによる素材ファイルを作りましたが、当時の気象条件は全般的に小糠雨が降る、霞がかかったような状態ですので、画像全体が白っぽくなっています。そのため、オリジナルからですと遠景と近景を切り分けるマスクがうまく作れません。ですので、マスクを作るためにオリジナルを暗くした画像を一旦作り、再度ImageJでスクリプトを走らせて、マスク画像を得ました。大体近景と遠景の切り分けがRGB値で50%程度 (8bit相当で128) 程度の明るさになるように、暗くしました。なおImageJ用のプラグインスクリプトのアップデート前でしたのでこのようにしましたが、現在のバージョンでは遠景の閾値を上げて走らせることで直ちに対応可能ですので、このような場合でも、わざわざ暗くした画像を作る必要はありません。

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図3. 暗くした画像

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図4. 3から得た、近/遠景マスク用素材画像

 さらに、遠景補正レイヤーも、デフォルトの設定で使わず、より明るくして補正Bチャンネル画像を作りました。図5が補正前、図6が補正後のBチャンネルです。Bチャンネル周辺部分の情報抜けの補正も行っています。

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図5. 補正前 Bチャンネル画像

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図6. 補正再建した Bチャンネル画像

 このように再建したBチャンネルを使ってサイドRGB合成を行ったものが図7です。

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図7. Bチャンネル再建法適用後

 このファイルをRawTherapeeに掛け、霞除去や色温度の調整などを行って仕上げたのが上の最終補正結果です。当時霞がかっていたのは間違いないので、霞は取りすぎないよう調整しました。なかなか良い感じに仕上がったかと思います。

 

 同じ列車の反対側(クハ47069)も、同様に補正したものを掲示します。

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図8. 飯田線さよなら運転 クハ47069

 オリジナルは次のようでした。

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図9. 図8のオリジナル