darktable におけるフォント変更に関する続報です。
Ubuntu 他の一部日本語 Linux システムでは darktable の日本語が一部途切れて全部表示されないという問題が発生します。基本的に Noto Sans CJK フォントがデフォルトの日本語フォントとして採用されているケースでこのような問題が起こります。これは Noto Sans CJK フォントが非プロポーショナルである (しかも表示も、同じポイントであっても他のフォントに比べ大きめ) ためです。他のLinux ディストリビューションでもデフォルトのシステムフォントが、Noto Sans CJK フォントでなくても、非プロポーショナルだと同様な問題が発生する可能性があります。
解決策として次の対策を用意しました。
1) こちらから新しい darktable-elegant-darker.css をダウンロードして下さい。これを、/usr/share/darktable/themes 以下にある、既存の darktable-elegant-darker.css と置き換えてください。なお置き換える際は念のため元のファイルのバックアップを取っておいて、トラブルがあった場合は戻せるようにしてください。また当然ながら、ターミナルコンソールから sudo で管理者権限を取得して作業を行う必要があります。
例えば、一旦ファイルをダウンロードして、これがユーザのダウンロードディレクトリにあるとすると、コンソールから... (カレントディレクトリがユーザのホームディレクトリであることを前提)
$ cp /usr/share/darktable/themes/darktable-elegant-darker.css ドキュメント
※ドキュメントにオリジナルファイルのバックアップを作成
$ cd ダウンロード
※ダウンロードディレクトリへ移動
$ sudo cp darktable-elegant-darker.css /usr/share/darktable/themes
※ sudo コマンドを使って管理者権限で、ダウンロードディレクトリにある css ファイルをdarktableテーマディレクトリにコピー
2) IPA Pゴシックがインストールされていない場合は、追加インストールを行ってください。Ubuntuでは、デフォルトだとインストールされていません。
方法はコンソールから
$ sudo apt install -y fonts-ipafont
$ fc-cache -fv
でインストールします。既にシステムにインストールされていればこの作業は不要です。
Linux はいろいろなディストリビューションがありますが、おそらく同様な方法でIPAフォントがインストールできると思います。
3) 設定パネルで、 darktable および darktable-icons 以外のテーマを選んでください。
以上です。
なお、Windowsでは、とくにCSSファイルをいじらなくても darktable および darktable-icons 以外のテーマを選べばそのままプロポーショナルフォント (Segoe UI フォント) が指定されますので、問題は起こりません。ただし、darktable および darktable-icons が選択されていると同様な問題が起こり得ます。また、Segoe UI フォントじゃいやだという方は、前回の記事をご参照ください。
darktable では、基本 darktable-darker と、darktable-icons テーマは、 darktable-icons-darker とフォント指定を除くと一緒なので、 darktable および darktable-icons はあくまでテンプレートであって実際に使うテーマではないとお考え下さい (もちろん、問題がなければ使ってもOKです)。
なお、IPAフォントじゃヤダという方は、前回紹介した (以下のリンク) フォント指定ファイルをお使いください。
yasuo-ssi.hatenablog.com 但し、当然ながら Noto sansや源の角ゴシックでは、日本語表示切れが発生します。他のフォントに関してはLinux 環境での検証を行っていません。
なお、私はWindows歴は長いですが、darktableの動作検証のため図らずもLinuxユーザになって1日目にして (しかも1月1日に) この記事を書いておりますので、何か初歩的な間違いを書いている可能性があります。もし何かお気づきの点がありましたらこちらのページのコメントでご教授いただけますと幸いです。