8月投稿の記事で、拡張疑似フラットフィールド補正アルゴリズムだけで、十分黄変効果が得られないのは、画像が荒れているからではないか、と書きました。確かに手持ちのフィルム画像では、荒れた画像で効果が十分得られないことが多いのですが、その後投稿した記事に書いたように、それはどうやら粒状性の問題ではなく、単純に BチャンネルとGチャンネルの画像値の分布の相関の問題であることが明らかになりました。
そこで、マニュアルで調整してみるとどのように改善するか試してみました。比較対象とするGチャンネルの明度を上昇させることで補正結果がどう異なるかを見てみました。なお調整量のスケールは 8 bit相当(0~255)の値です。
いずれもGチャンネルミキシングアルゴリズム併用なしで、拡張疑似フラットフィールド補正アルゴリズムのみの効果です。
まず、オリジナルです。
なお、この画像は、輝度の平均値は111.7 標準偏差は44.6 (8bit換算値) です。輝度の最大値、最小値は 255.9~0.0です。
次に、マニュアル調整なしで自動調整のみ適用したデフォルトの補正結果です。
少しは改善していますが、補正量は今一つです。次はマニュアルで + 10です。
上の画像よりは明るくはなっており、補正量が増えているのは間違いありませんが...
+25まで上げてだいぶ黄変が減った感じがします。ホームの不均質感もだいぶ軽減しています。
+50まで上げると、ホームがだいぶ均質になり、空も改善していますが、全体にちょっと薄すぎる(明るすぎる)ような気もします。適切な調整量は + 25~50 の間あたりのようにも思えます。ひょっとすると、標準偏差分 (約44) 引き上げるというあたりが正解かもしれません。ただし、Gチャンネルのミキシングを前提とするなら、Gチャンネルのミキシングでやや暗くなりますので、50でも適切かもしれません。
これに関しては、他のダメージの大きい画像を読み込んで、最大公約数的な適切な補正量 (例えば標準偏差分引き上げる等) を決め打ちできるのか、できないのか調査してみなければなりません。
このように、経験的に画像を調べて補正量を決めようというのは、基本的には AI と同じ考え方です。ただ AI の場合、判定のために読み込ませる画像の数がかなり膨大だという違いがあるだけです。