datktable のオンラインディスカッションで、フィルミック RGB ではクロミナンス保持は No を選択した方が色がナチュラルになるのではないかという議論が出ています。
クロミナンスを保持すべき理由として darktable のマニュアルでは、現像処理パイプラインの中で、フィルミック RGB の後続モジュールに対する悪影響を避けるということが書かれているようですが、フィルミック RGB がパイプラインの最後に来る事が多く、必要ないのではないか、さらにクロミナンス保持を No にした方が結果がナチュラルになることが多い、というような指摘が行われています。
先日、偽色が出た画像で検証してみます。まずフィルミックRGBのデフォルトで、クロミナンス保持をRGBパワーノルムにしています。
空に偽色が盛大に出ています。次に、クロミナンス保持を止めてみます。
偽色の出が少なくなりました。
しかしフィルミックRGB の代わりにシグモイドを使うと...
やはりこれが一番ナチュラルです。
フィルミック RGB は効果がある場合もありますが、アーティファクトが出やすいモジュールであるようです。その中でもクロイナンス保持を行わない方がアーティファクトが出にくいということのようです。上のオンラインディスカッションでも、シグモイドを使う機会が増えている、との議論が見られます。
なお、フィルミックRGBでハイライトがクリップした部分がマゼンタになるケースはよくあるようですが、ハイライトの再構成 モジュールで直すことは直せます。
ここで方式を [反対を修復 (inpaint opposed)] をつかいクリッピングの閾値を下げると消せるようです*1。
因みに、クロミナンスとは、一般的に画像処理ソフトで使われる場合、輝度情報 (グレースケール情報) を取り除いた色情報のことで、色相 (Hue) および 彩度/Saturation を含む情報を指します。似た言葉にクロマ (彩度/Chroma) がありますが、こちらは、やはり一般的に画像処理ソフトで使われる場合、Saturation + 輝度情報によってあらわされる彩度を指します。ただし、画像処理ソフトによっては Saturetion と Chroma が同じ意味で使われる場合もあり、また色彩学上厳密には、Chroma とは物体自体の持つ色 (厳密に言えば物体の持つ光スペクトラムに対する反射率) の意味で使われますので要注意です。またクロミナンスの略語がクロマだ、などと解説しているサイトもありますので...
*1:参考: