先日、黄変したネガフィルム画像 (ハーフサイズ2コマ連続) をBチャンネル再建法にかけ、掛けた後の画像が強くマゼンタ被りをしていましたので (下図) さらに、追加でマゼンタ補正を掛けようとしました。
そこで、マゼンタ補正用マスクとして下記のような画像を相対RGB色マスク画像作成ツールを使って作成しました。空のマゼンタを補正するためにマゼンタの閾値を30に設定し、かなり明るめのマスクを作成しました。
このマスクを掛けたマゼンタ補正レイヤーに対し、GIMP上で G カーブを上昇させたところ下記のようになります。
G カーブを持ち上げると、どうも電車の車体のブルーの部分が緑に寄りすぎるように感じられます。そこで、青い部分のみ補正の適用を除外して保護しようとマスクを以下のように編集しました。
これで再び G カーブを持ち上げますが、今度は保護されすぎの様で、青い部分が紫になってしまいました。
もちろん、これは青い部分が紫色に値が変わったわけではありません。青い部分は、マスクを黒く塗って保護されているので、色の値は変わっていませんが、周囲が緑色に動いたので、目の錯覚で相対的に紫に見えてしまうのです。そのため色の物理値は変わっていませんが、知覚上、紫に転化したように見えているのです。
そこで青い部分が保護されすぎなので、マスクの黒塗りをもう少し薄くすることにしました。試行錯誤の末、最終的に左のコマは 明るさ 50% 右のコマは 75% で青い部分をマスクすることにしました。
このマスクに基づき GIMP 上で色を調整してみたのが以下の結果です。
まずまずの結果になったようです。
以上から言えることは、人工的にペイントを塗られた物体は、そこだけ補正を変える必要が出る可能性がある、ということかと思います。
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なお、GIMP上における、以上のようなマスクの編集方法ですが...
1) レイヤーダイアログ上で、編集したいマスクのアイコンをクリックし、マスクを編集モードにする(マスクの周辺が白く枠取られる)。その際、マスクの表示はオフのままにする。
2) プレビュー画面上で、色域選択を使って指定したい領域を範囲指定する。その際、余計な部分が範囲指定されるのを防ぐために、最初に自由選択で、大雑把に範囲を指定しておき、次に、色域選択を類似色として判定する許容度を調整の上、重複モードで使って、色域の選択指定を行う。
3) 次にペイント塗潰しを選択し、描画色を調整する。
4) 範囲指定部分をペイント塗潰しツールで塗りつぶす。マスク表示に切り替えると(マスクのアイコンが緑で枠取られる)、塗潰された部分が確認できる。なお、塗潰す際、誤って描画キャンバスが編集モードになっていると、マスクではなく、画像の方が塗潰されるので要注意。
範囲選択のモードに関しては、以下の記事をご参照ください。