こちらは、1999年12月日に運行を開始した中央西線セントラルライナー用として製作された、313系8000番台です。電動車は8500番台となっていますが、これはM:T比を1:1 にするために中間電動車において電動機を設置した台車を1台としているためです。セントラルライナーは乗客からは好評でしたが、セントラルライナーを走らせるために、運転間隔を調整するため快速を1時間当たり1本増発を余儀なくされ、結局セントラルライナーは2013年3月改正で廃止されてしまったようです。
その後も中央西線の快速、普通、ホームライナーなどを中心に、イベント列車などにも活用されていたようですが、315系の導入で中央西線から撤退し、静岡地区にやってきました。
現在は、211系の3両編成や、313系のロングシート3輌編成と共通に運用されているようです。
他の313系と異なり、オレンジを基調とした塗色が行われています。
側面には車種を表示する小さな字幕窓がありますが、現在は白表示のままです。
こちらは客室内です。他の一般車とは異なり、特急車と同じ赤紫のモケットが使われ高級感を出しています。また客室扉の前に仕切りが設けられています。
座席は転換クロスシートで、座席間隔も他の313系転換クロス車よりも広くなっているようです。
車端の4人掛け席には小さなテーブルが設けられています。
網棚の脇に特急者と同様の座席番号表示があります。
終着の三島駅で乗務員が転換クロスシートの方向転換を行っています。かつて中央西線名古屋口ではラッシュ時に最長 10 輌編成で運転されていたようですが、運転間隔の短いラッシュ時に 10 輌もの車輛のシートの方向転換を行うのは大変だったかもしれません。そのため、315系によるモノクラス化が図られたのでしょうか?
関西だと、乗客の方が慣れていて、自分たちで自発的に転換する慣行になっているようですが、名古屋地区ではどうだったのでしょうか?
クハの車端部です。トイレが設置されています。
トイレ部分です。
本車の車歴です。
1999.9.29 近畿車輛製造 (海シン) → 2022.3.12 静シス → 現在に至る
2022年までの中央西線は、かなり多様な車両が駆け抜ける線区だったと思われますが、315系に統一され単純化されてしまいました。中京地区の鉄道ファンはかなりがっかりされたのではないでしょうか。