[高度な機能]タブ機能一覧
画像の中の曖昧な箇所をはっきりさせるために使われるアルゴリズム。霧などで霞んだ画像をはっきりさせる、輝度の差が著しく少ない画像を鮮明にする、トーンマッピング(ダイナミックレンジを圧縮してHDR風画像を作る)等、画像に特殊な効果を付けるといった用途に使われる。CT画像の明確化にも用いられる。
なお、類似の機能であるトーンマッピングは露光タブに、霞除去はディティールタブにある。
レティネックスを使ってみた事例を紹介するブログがあります。
CIE色の見えモデル(CIECAM02)の機能については、本サイトの以下の記述参照。
CIE色の見えモデル(CIECAM02)に関するWikipediaの記述。
上の、ダイアログボックスで、撮影環境条件は、元々の撮影がどのような明かりの下で行われたのかを設定し、観視条件は、そのファイルがどのような鑑賞条件(鑑賞に利用するデバイス [パソコンのモニタ、TV、プリントアウト等] の色温度設定や、どのような明るさでそれらの画像出力を見るか等)を指定する。それぞれの鑑賞条件に合ったファイルを作成するのが目的のようである。画像の調整は、周辺条件に依存しない画像の固有の特性を変えるパラメーターだと思われる。アルゴリズムでどの項目のパラメーターを動かすか選択ができる。
撮影環境条件、および観視条件にそれぞれCAT02に適応という項目があるが、これはそれぞれこの色順応変換 (周囲の光・色環境にかかわらず、一定の色に見えるような知覚反応 [例えば、色付きサングラスを掛けても、本来の色が分かるような知覚反応] をエミュレートする変換) の効果量を調整するスライダー。このスライダーの右下にあるチェックボックスにチェックを入れると、自動で変換量が調節される。変換量を手動で調節する場合は、チェックボックスのチェックを外しスライダーを動かす。
撮影環境における[周囲環境]は、どのような明るさで撮影されたかを指定する。特に露出に問題のない通常の写真であれば[普通]で良いが、逆光で対象物が黒くなってしまったようなケースでは、[薄暗い]または[暗い]を選ぶと、対象物が明るくなる。ホワイトポイントのモデルで、「WB[RT]+[出力]」は撮影環境が、昼白色の標準光源D50 (5003ケルビン)を前提とし、出力はRawTherapeeの環境設定で設定したカラーマネジメントの値を使用、「WB[RT+CAT02]+[出力]」は、撮影環境に、D50に色順応変換(CAT02)の値を加えたもの(ほぼ昼光色 6500K/D65標準に等しいようだ)、出力は前者と同等、「任意の色温度+グリーン+[出力]」は、撮影環境のパラメーターを任意に設定できる。
観視環境では、[絶対輝度]は、見る画像の明るさで、単位はカンデラ (デフォルトは16)、[中間輝度]は画像の平均輝度でデフォルトは18%グレー (これは知覚的にはほぼ半分の暗さに相当) である。周囲環境は、その画像を見る環境で、通常は普通、他に薄暗い、暗い、非常に暗いが選べる。明るい場所で画像を見るなら[普通]を、暗い場所でプロジェクターを通して画像を見る場合は、[暗い]を選択。通常は観視環境はデフォルト値で良いと思うが、例えばプロジェクターを通して見たいファイルを作成するなどの場合は、適宜パラメータを変更する。
CIECAM02を使った実例紹介のブログ記事。
CIECAM02に関するRawTherapeeのオンライン討論。
Elle Stoneによる解説。
RawPediaのウェーブレットの説明は、非常に分かりにくいので、筆者の下記の解説記事をまず参照されたい。
●ウェーブレットの設定
●コントラスト - ウェーブレット
●カラートーン - ウェーブレット
●ノイズの低減とリファイン - ウェーブレット
●エッジのシャープネス - ウェーブレット
●残差画像 - ウェーブレット
●最終調整 - ウェーブレット
以下、ウェーブレットを使ってシャープネスを挙げた事例を紹介しているブログです。
bigdaddyphoto.blog.fc2.com また、ウェーブレットを使ったコントラスト調整、およびダイナミックレンジ圧縮を紹介したビデオです。