省型旧型国電の残影を求めて

戦前型旧型国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

光線被りネガカラーフィルム補正術 (3)

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1. 光線被り補正の基本的な仕組み・準備

2. 補正第一段階 (基本補正)

3. 補正第二段階 (ポストプロダクション) (本記事)

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 3. 補正第二段階

 光線被り補正ツールだけでは、完全に赤みを消すことができない可能性がありますので、その場合追加補正を行います。追加補正にはフォトレタッチソフトにある色域選択機能を使ってもよいのですが、今回、追加補正用にImageJ用赤部分補正マスク作成ツールを作成しました。これを走らせると、次のようなパラメータ指定ダイアログが表示されます。

 

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図 3-1. 赤色部分補正マスク作成ツールパラメータダイアログ

[Image bit depth] は、不具合が発生しなければ、通常 Auto のままで使ってください。

[Red mask threshold] は、10~30程度で画像状態によって決定してください。

[base Channnel for L Zone] もデフォルト(Red)で良いです。

[Lowest Threshold of L Zone] および [Highest Threshold of L Zone] は、0と255に設定してください。 つまり全域を対象とします。

[Show working windows] はお好みで設定してください。

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図 3-2.赤変部分補正マスク作成用画像

 このツールを走らせると、いくつかファイルが作成されますが、[オリジナルファイル名] + _Mask_Thr_R+[閾値の値]_x4.tif というファイルをマスク画像の原稿ファイルとして使います。上の図は閾値(threshold)を大きめの30に設定したマスク作成用画像です。この画像を補正用のマスクの原稿ファイルとして使います。

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図 3-3. レイヤーマスク編集モードを決めるメニューを出したところ

 

 前回補正ツールで作成した画像をGIMPに読み込み、読み込んだレイヤーを複製します。複製したレイヤーに、上のマスク用画像をマスクとして貼り付けます。なお、先日公開した、読み込んだファイルを簡単にマスクとして貼り付けるプラグインを導入しているとこの作業が簡単になります。

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図 3-4. レイヤーマスクを編集中

 マスク編集画面に入り、補正を行わない領域を黒塗りしていきます。レイヤーマスク編集モードへの入り方、終了の仕方の詳細については、こちらのページをご参照ください。なお、これについても先日公開した、レイヤーマスク編集モード切替プラグインを導入していると、切り替えが簡単です。

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図 3-5.マスク編集モード終了直後

 マスク編集モードを終了します。

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図 3-6. トーンカーブを使って赤み補正をおこなったところ

  マスクを掛けたレイヤーに対し、トーンカーブ等を使って赤みを落としていきます。かなりうまく補正できていると思います。

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図 3-7. さらに追加で不均等黄変補正を掛けた後

 このファイルは不均等黄変や上下端にBチャンネルの情報抜けも起こしているので、さらに不均等黄変補正にかけてみました。下のオリジナルファイルと比較してみてください。

 

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図 3-8. 補正前のオリジナル画像

 これらのツールは、使い勝手的には、今一つのところもありますが、それほど世の中に需要がありそうではなく (おそらくこのような補正法を考えている人は世界で私一人かと思います)、基本は自分が分かっていればよいので、今後はバグフィックスや環境変化に応じた対応程度とし、これにて完成としたいと思います。

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 2021.3.5に画像ファイルを簡単にレイヤーマスクとして貼り付けるGIMPプラグインを公表しました。このプラグインを使うと簡単に画像をマスクとして貼り付けられます。こちらをご覧ください。

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 なお、本記事で紹介した写真補正技法やソフトウェア (Plug-in) は、個人的および非営利用途であれば、自由に使っていただいて構いませんが、本技法を使って何らかの成果 (編集した写真等) を公表する場合は、本記事で紹介した技法を使った旨クレジットをつけて公表していただくことをお願いします。

 また、本ソフトウェアは現状のまま提供されるものし、作者はこれを使ったことによるいかなる損害補償等にも応じられないことを了解の上使っていただくものとします。
 但し、もしソフトウェアのバグがありましたら、ご連絡いただければなるべく改善するよう努めたいと思います。