省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

トーンイコライザーに追加されたピボット調整機能 - ART1.14 新機能紹介

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 ART 1.14から新たに加わった機能は、トーンイコライザーのピボット機能です。これはどういう機能かというと、要はトーンイコライザーの明度による適用領域の明度範囲を変更する機能です。例えば以下の画像ですが...

オリジナル画像

 この画像の、ブラック、シャドー、ミッドトーン、ハイライト、ホワイト領域がどう分布しているのかは、[トーン領域を色で表示]にチェックを入れると、明らかになります。

トーン領域を表示

 ここで、ピボットを 1EV下げてみます。

ピボット -1EV

 今までブラック領域だったところの多くがシャドー領域に移っています。これは、シャドー領域の下限が、より暗いレベルに下がったためです。またシャドー領域だったところの一部がミッドトーン領域に移っています。つまり各領域の境界が 1EVだけ暗くなったのです。

 逆に、ピボットを1EV上げると...

ピボット +1EV

 先ほどとは逆に、今までシャドー領域だった部分がかなりブラック領域に移るとともに (ブラック領域の明るさの上限が上昇したため)、ミッドトーン領域だったところがシャドー領域にハイライト領域だったところが、ミッドトーン領域になっています。つまり各領域の境界が+1EV明るいほうに移動したわけです。

 このようにトーンイコライザーの各領域の明るさの境界線を全体的に明るい方向に移動したり暗い方向に移動したりするのがピボット調整機能です。もうちょっといい訳語があると分かりやすいのですが、思いつかなかったのでそのままピボットにしています。いい訳を思いついたら訳語を変更するかもしれません。

 

 なお、使用画像は raw.pixls.us で配布しているもので、自由な利用が許諾されているものです。