省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

自動生成 AI に不均等黄変ネガフィルム画像の補正方法を訊いてみた

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 先日、ふと Microsoft Edge を立ち上げてみると、Bing に AI 機能が付け加わったので試しては... というお勧めメッセージが流れるので、ふと思いついて、黄変ネガカラーフィルム画像の補正方法を訊いてみました。

 するとこんな答えが...

 おおっ、私のブログの記事が出典として使われているではないですか...

 

 では、Chat GPT ではどうでしょうか。全く同じ質問を投げてみます。

 まぁ、無難な答えというか、その通りなのですが、その調整が難しいから尋ねているんじゃないですか... と言いたくなるような答えです。ひょっとして不均等に黄変している、ということを入れなかったのでこういう回答になったのかもと思って再度質問してみます。

ご説ごもっともではありますが... やはりさっきの感想の繰り返しになります*1

 では、同じ質問を Bing AI では...

 答えは、先ほどの質問と同じです。やはり私のブログが出典元として表示されます。

 Chat GPT にはさらに畳みかけて次の質問を...

 Photoshopでうまく補正できないなら、より高度な写真編集ソフトとして Lightroom, Capture One, DxO PhotoLab を使えと言ってきます。はぁ。

 

 ところで英語で尋ねると答えが変わってくるかもしれないと思って、尋ねてみました。まず Chat GP から。

はいはい、その通りでございますが...

 次は Bing AI です。

 これも一般的な答えに終始しています。

 若干キーワードを変えると

 Chat GPT と似た回答になってきました。

但し引用先は...

Tips for correcting unevenly yellowed color negatives?: Retouching Forum: Digital Photography Review (dpreview.com)

How To Edit Color Film Negatives in Photoshop | PetaPixel

Scanning and Editing Color Negative FIlm — Alex Burke Photography

 

 ともあれ、Chat GPT は出典元を明示しないのに対し、Bing AI は出典を明示します。Chat GPT は「お答え」を出すのが目的になっているのに対し、Bing AI は文章の内容をより正確に解釈し、単にキーワードに合致した Web ページを表示するのではなく、より文章の趣旨に沿った Web ページを紹介するのが主目的になっているという印象を受けます。

 但し、Bing AI の方は、おそらく日本語で尋ねると、日本語のページを探し出して、その内容を要約して紹介し、英語で尋ねると、英語のページを探し出して、内容を要約して紹介する、という感じで、現状では、異なる言語の情報を翻訳して紹介するというところまではいかないようです。Bing AI は基本的に Chat GPT の技術を使っているはずなので、これはおそらく Chat GPT もそうなのでしょう。ただ回答している内容の典拠がしっかり表示されて、回答の信憑性をユーザが確かめやすいという点では、Bing AI の方が好ましいと言えそうです。

 とはいえ、これらから垣間見られる自動生成 AI の特徴としては...

1. 基本は Web 上から情報を拾って、それを基に回答を作成している。

2. 自動生成 AI のキー技術は、不自然でない言語を生成することと、読み取った Web 情報の要約能力である。

3. ある問いかけに対しては、キーワードに分解し、それに適合した Web 情報を取捨選択し、要約表示している。

4. あるキーワードに適合した Web 情報の取捨選択には、おそらく 検索エンジンで収集されたデータが使われている。

ということが言えそうです。

 とはいえ、AI は文書内容の意味理解までしていないと思いますので、意味理解のないままどうやって文章の要約ができているのか、というあたりが非常に気になります。

 

 それと、どうやら当サイト以上に、効果的な不均等に黄変したネガフィルム画像の補正法を教示してくれるサイトは、世界中にどこにもないと断言してもよさそうです。

 

 

*1:なぜ、既存の画像処理ソフトでは不均等な黄変の補正が非常に難しいのかは、以下の拙稿をご覧ください。

yasuo-ssi.hatenablog.com