本日 5時間ほど前 (執筆時点は AM 8:00頃。現地時間ではリリースは 2024.12.21)、darktable 5.0.0 がリリースされました。
今回の改訂は、ユーザの使い勝手を大きく変えるような、UI / UX にかかわる変更がなされているとアナウンスされています。
・カメラ内蔵プロファイルをエミュレートするカメラ固有プロファイル (darktable style ) が大幅追加
・darktable の起動を早くするオプションのスプラッシュスクリーンの追加
・編集操作中でも評価、タグ、適用スタイルなどの情報を適宜変更できるように
・マスク編集のためのパス (線) にベジェスタイルのコントロールポイントを追加
・何も表示されていないライトテーブルで表示するユーザ用のヒントを充実
・読み込めない画像に対し、なぜ読み込めないのか、エラー原因を明示
・出力モジュールのスタイル選択時に、カーソルを選択肢の上に持ってくると、その選択肢の説明を表示できるように
・パネルに表示されるモジュールを複数の方法で表示できるように
・左右のパネル表示を交代できるようなオプション
・タブキーを初めて押したときに、それによりパネルがすべて隠されるがそれで良いか、という警告を表示するように
・モジュールのドラッグアンドドロップ操作に改善
他にパフォーマンスにかかわる改善として
・Open CL の利用をカラーイコライザーにも適用
・サイドカーファイルへの書き込み、更新速度の改善
・PFM 形式ファイルの読み込みの大幅改善
等となっています。
今回、カメラ固有プロファイルをエミュレートする Style ファイルが追加されたということですが、これは darktable の開発方向の大きな路線変更を示していると思います。darktable のシーン参照ワークフローを推進していた Aurélien Pierre 氏が開発チームにいたときは、darktable は既存の Raw 現像ソフトの Alternative (違う方向) を目指していたと思います。従ってカメラ出し Jpeg をエミュレートするようなプロファイルは付属させていませんでした。
しかし FOSS の Raw 現像ソフトの中で最もメジャーな存在になったことで、シーン参照ワークフローを維持するにせよ、Lightroom の FOSS 版的な方向性を目指していく、ということになったのでしょう。
なお、日本語翻訳を継続して担当していただいている篠崎さんには引き続き感謝申し上げます。