こちらは中央東線で活躍する211系のトップナンバーです。国鉄末期の1985年に製造され、2012年まで名門田町電車区に配置されて長年東海道本線の通勤需要を担っていました。なお、本車の前は平坦地用の111、113系と勾配地用の115系に分かれており、東日本地区では、東海道、横須賀、総武、伊東、内房、外房線は113系、東北、高崎、中央東、上信越、大糸、身延、御殿場線は115系と分かれていましたが、211系ではその区別がなくなって、113, 115系の後継として、新製配置では東海道 (東京~中京地区)、東北、高崎、中央西線名古屋口に配備されました。民営化後も継続製造されましたが、関西地区では配備されませんでした。因みに西日本には国鉄時代、本系列の2扉車版、213系が岡山地区・宇高連絡用に製造されましたが、その後継はJR西日本独自開発の 3扉車 221系となりました。
しかし、233系3000代の東海道本線への投入で、2012年に東海道線の運用を離脱、その際、製造以来一緒に編成を組んでいたサハ211-1, 2、およびサロは一足先に廃車になってしまいました。因みに、製造当初はサロ210, 211 のトップナンバーと連れ立って運用されていましたが、東北・高崎線のグリーン車の運用開始、ならびに113系の231系の置き換えの完了により、2005年の9月、経年の比較的浅かった113系用ステンレス製2階建てグリーン車と振替えられ、サロのトップナンバーは高崎区に転用されました。因みに元トップナンバーのサロも2014年に廃車になっています。
しばらくの間の休車を経て、2014年に115系置き換えのため長野にやってきてそれ以来中央東線、および篠ノ井線の立川ー高尾ー甲府ー松本ー長野間で運用されています。
JR東日本のコロナ前の計画 (2020年ごろ) では、2024年に京浜東北線、横浜線でワンマン対応の E235系を投入し、余剰となる 233系を中央東線に投入して、本系列を置き換える方向で労働組合と交渉をしていたようですが、コロナ禍による売り上げの大幅減少や半導体不足で、計画は練り直しとなっているようです。とは言え、JR東海の211系も置き換えが進行中ですので、本車も多少延命があったとしても、活躍はここ数年でしょう。
クハ210-1 のトイレ表示です。なぜか本車のみ「あき」の地の色が青になっていますが、これは他車にない本車のみの特徴です。
クハ211-1 のトイレ表示です。210-1 とはことなり、「あき」の表示が通常通りです。
本編成の車歴です。
1985.12 東急車両製造 (南チタ) → 1987.4.1 東チタ → 2013.3 東トウ → 2014.5 長ナノ
データはレイルラボを参照しています。
本年で38年目に突入した計算です。なお、長野総合車両センターは2022年11月に 長野支社から JR 東日本首都圏本部管轄下に移管され略号も 長ナノ から 都ナノ に変わったらしいのですが、現在のところ略号が書き換えられた車両は見たことがありません。