さて、本日はJR東日本現役の209系1000代の車輛です。このグループは常磐緩行線/地下鉄千代田線用として登場しました。元々は、列車増発に伴う203系の補充用として1999年に2編成のみ製造されたレア車です。203系および207系500代は2009-11年に掛けてE233系2000番台で置き換えられましたが、本車は置き換えられませんでした。なお、203系時代までは国鉄/JR 車が小田急線に乗り入れることはありませんでしたが、E233系時代では小田急への乗り入れが行われるようになりました。しかし、本系列は小田急の仕様を満たしていなかったため、常磐・千代田線限定運用で使われました。
その後2018.10には、E233系の増備で常磐・千代田線からの運用から撤退、同年12月には、中央線E233系のトイレ増設工事およびサロ増結工事での車両不足を補うための助っ人として、中央線に転用されました。おそらくE233系工事の終了とともに引退するものと思われます。しかし、現在E233系の大半にトイレ設置工事は終了しましたが、コロナ禍による旅客数の激減や半導体不足による車体製造の遅れでサロの増結計画が遅れており、その分本系列も延命しています。
本系列はドアボタンを設置していませんが、運用区間は中央線だけでなく、現在では青梅線の運用もあるようです。ただし、高尾以西には入りません。
以下上り方から下り方の順に写真をお見せします。
前面には、トンネル内での避難対策として、オリジナル番代とは異なり、前面運転台に扉が設けられています。
以下客室内です。新系列以前の車輛はメラミン化粧板が採用されており、陳腐化してきたら張り替えることが想定されていたと思いますが、209系以降はコストダウンのためか FRP 一体成型となっています。そのためか、205系では、明るいクリームだったのが、209系以降は灰色になってしまいました。おそらく経年劣化で黄色っぽく変色するのをなるべく目立たないようにするため変更したのではないかと思われます。ただ本車では同じ灰色でも、明るめになっており、209系オリジナルやE217のような暗い印象は緩和されています。
運転台です。
最後に本編成の車歴を紹介します。データはレイルラボおよび Wikipedia から。
1999.8 東急車両製造 (東マト) → 2018.11.2 (八トタ) → 現在に至る