省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

ImageJ対応 相対RGB色マスク画像作成ツール Ver. 0.52 バージョンアップ

 6月に本ツールをバージョンアップしましたが、引き続き今月もバージョンアップをします。といっても今回は機能面の追加はありません。但し、ユーザインターフェースを大幅に変えています。

■バージョンアップ内容

・コードの整理

 今まで、旅館の増築のように徐々に機能追加を行ってきたため、コードがスパゲッティ化し錯綜していました。メンテナンスする方も大変なので、それをある程度整理し、ダブっているコードはなるべく共通モジュール化して、コード行数も減らすようにしました。例えば最初はプレビュー画面もなく、画像の直接加工のためのコードだけでしたが、プレビュー画面を追加するにあたって、どうやるとプレビュー画面が表示できるのかもよく分からず手探り状態でコードを追加しました。その結果、画像自体の加工とプレビュー画像の加工で共通化できるコードも、バラバラにコードを書くなど、非常に錯綜してしまいました。

 これを今回、ある程度整理し、再利用できるコードは再利用してコードを減らすようにしました。

 

・ユーザインターフェースの大幅変更

 以上のように、コードを整理する中で、ユーザインターフェースも、追々機能を追加していたので、パラメータの順番もどういう基準で並べているのかよく分からない状態になってしまいました。そこで、コード整理と合わせてユーザインターフェースの整理整頓も行ってみました。その結果以下のようにユーザインターフェースを変更しました。変更したのは最初のチャンネル選択ダイアログではなく、2番目のマスクのパラメータ設定ダイアログです。

 まず、相対RGB色マスクパラメータ設定ダイアログから。

相対RGB色マスクパラメータ設定ダイアログ

 大きく3つに分かれています。最初のパーツは、マスク自体の設定に関するパラメータを指定する [Relative xx (xx) mask parameters]、次は、マスクの適応明度トーン範囲を設定する、[Effective tone area selection]、そして、複合マスクを作るか、あるいは振興プロセスを表示するかを設定する、 ----------------- 以下の部分です。

 まず作成するマスク自体のパラメータを設定する [Relative xx (xx) mask parameters] 部分ですが、中が二つに分かれていて、カラー設定のパラメータとそれ以外のパラメータに分かれています。

 カラー設定部分は、--- color parameters --- の下にあり、原色マスクを作成するかどうかのチェックボックス、色の閾値、作成するマスクの色の感受性の傾きを設定するパラメータ、マスク作成時にチャンネル間のレベルを合わせるかどうか、の4つのパラメータを置いています。

 なお、以前はマゼンタ/グリーンマスクにおいては、Bチャンネルのみと対照してマスクを作成するかどうかというオプションをつけていましたが、色の感受性の傾きパラメータで代替可能なので廃止しました。

 それ以外は、--- transparency / contrast parameters --- の下にあり、マスクの透明度、マスクのコントラスト、マスクの反転指定、そしてプレビューにパラメータを反映させるかどうかのチェックボックスガウスぼかしの5項目です。なお、ガウスぼかしはㇷ゚レビューに反映させることができません。

 その下は、次は、マスクの適応明度トーン範囲設定パラメータグループ、[Effective tone area selection] で、上限と下限の閾値の設定と、最終イメージのプレビューボタンを設置しています。

 一応関連項目ごとに、パラメータ設定場所を整理したつもりです。設定できるパラメータ自体は前のバージョンとほぼ変わっていません。

 

 また、輝度マスク設定ダイアログに関しては、大きく変わっていません。

輝度マスク設定ダイアログ

 但し、最終イメージ表示チェックボックスと、明度範囲表示チェックボックスを廃止しました。そして常にプレビューは最終イメージが表示されるようにしました。これは明度範囲の低い閾値が、輝度マスクを作成するレファレンスポイントとなっており、マスクの作成法が色マスクと異なるのでこちらの方が合理的と判断しました。

・32bit 画像は 32-bit 画像のまま処理へ

 今まで、32-bit 画像の扱い方の理解が不十分で、意図通りの画像の作成が困難だったため一旦、16-bit に落としてから処理していましたが、今回から32-bit のまま扱うようにしました。これはほぼ私の勉強のためです。

 なお、最近まで ImageJ は、一般的な 32-bit フルカラー TIF ファイルを直接扱うことができませんでした。しかし、最近の bio-format プラグインのバージョンアップに伴い、直接読み込むことができるようになりました (書き込みは現在もサポートしていません。ImageJ の出力から、一般的な画像ソフトで読み込める TIFF ファイルを作成する方法はこちらをご覧ください)。このためには、ImageJ に付属する bio-format plugin のバージョンが、6.12.x 以上になっている必要があります。

 

 今回のバージョンアップはほぼ機能改善はないので、無理にバージョンアップする必要はありません。よろしければこちらからダウンロードして下さい。

 

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 なお、本連載記事で紹介した写真補正技法やソフトウェア (Plug-in) は個人的用途および非営利目的であれば自由に使っていただいて構いませんが、本技法を使って何らかの成果 (編集した写真等) を公表する場合は、本記事で紹介した技法を使った旨クレジットをつけて公表していただくことをお願いします。

 また、このソフトウェアを利用される方は、このソフトウェアに起因する損害に対して作者は一切の責任を負わないという点を了承したものとみなします。同意できない方はご利用をお断りします。

 営利・営業目的で使用される方は別途ご相談下さい。

 また、私の作成したPlug-inも自由に改変して使用していただいて構いませんが、その成果を公表する場合はご一報下さい (公表しない場合は特に連絡は必要ありません)。またその改良した結果を私の方で自由に利用させていただくこともご了承下さい。

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