省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

飯田線ホームに佇む名鉄モ3551 (蔵出し画像)

 今回は旧形国電ではなく名鉄の車輛です。現在もそうだと思いますが、飯田線牛久保豊橋間は名鉄と線路を共用しています。豊橋駅のホームこそ別々になっていましたが、同じ線路を走っていきます。豊橋駅の 1-2番ホームが飯田線、3番ホームが名鉄線、4番以降は東海道線でした。

 しかしラッシュ時など名鉄線の車輛の内、豊橋にやってきてそのまま回送扱いになる列車は、飯田線ホームにやってきて乗客を降車させることがありました。当時は日中の豊橋口は豊川行きでも 40 ~50分ぐらいの間隔があいていましたので、そのような余地があったものと思います。現在は30分に一本になっているようですので、同様な扱いがあるのかどうかは承知していませんが。

 この写真は、そういう訳で飯田線ホームにやってきた名鉄線の車輛を収めた1枚です。名鉄のモ3550形のトップナンバーモ3551 です。後ろはク2551だったと思われます。

名古屋鉄道 モ3551 1978.5 豊橋駅

 扉のステップも低く、かなり古豪といった趣ですが、Wikipedia の情報によるとそんなに古いわけではなく、戦時中 1944年に日本車輛にて落成したということです。そのためリベットではなく溶接になっています。ただ良くも悪くもちょっと古めかしい姿をしています。

 当時資材不足ですぐ名鉄に引き渡されず、戦後になって未電装のまま運用に就いたようです。ちょうど国鉄のモハ63と同世代ということになります。名目的には1947.9に名鉄に引き渡されたことになっていますが、実際にはその前に入線して客車代用のような形で使われていたようです。

 本車は相棒のク2551とともに1988.1.20に廃車になったようです。