省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

珍しく PS-11 をつけていた飯田線のクモニ13025 (蔵出し画像)

 本日ご紹介するのは、飯田線にいたクモニ13です。クモニ13は主として荷3運用に就いていて、クモニ83と連れ立って運用されることが多かったように思います。

 クモニ13にはいくつかのグループがあり、大阪にいたクモニ53を改番したもの (写真は撮れませんでした)、17m 車の両運転台車、元モハ34を改造したグループ (首都圏でよく見かけました)、そして元木造車を戦後鋼体化したグループがあり、本車はこの一番最後のグループに属しています。戦後鋼体化されたため、63系に似た切妻屋根になっています。

 オリジナルの木造車はパンタグラフに PS-2 をつけていたと思われ、そのため、鋼体化された際に、PS-13 と交換されたケースが大半でしたが、なぜか飯田線のクモニ13 は PS-11 を装備していました。

クモニ13025 (静トヨ) 1978.1 豊橋機関区

 以下の写真は PS-11 が明確に確認できます。クモニ13 は下り向きでしたので、荷物単独運用でないと正面を拝むことはできませんでした。

クモニ13025 (静トヨ) 1980

本車の車歴です。

1952.12.28 日本車輛東京支店 改造 (モニ13025) 静トヨ → 1983.8.12 廃車 (静トヨ)

 改造後はずっと飯田線を離れず、豊橋機関区に在籍するというシンプルな生涯でした。とはいえ、飯田線沿線は狭隘な山間地が多く、車の利用は不便で、荷電はそれらの地域のインフラを地道に支える重要な役割を担いました。

なお、種車は木造国電の モハ10176 でした。