旧形国電末期の身延線には半流のクモハは多数いましたが、クハは3両しかおらず、いずれも関西・京阪神緩行線向けクハ55を編入したクハ68でした。戦時体制でなければ、本来クハ68として生産されるべき車輌だったと言えます。本車は68103と同様運転台左窓が2段のまま残っていたものの関西型通風器が撤去されていたので、容易に判別がつきます。
続きを読むART 遠近歪み(パースペクティブ)補正の使い方 - ARTの基本編集操作
今回はARTの遠近歪み (パースペクティブ) 補正の基本的な使い方について説明します。なお翻訳は以前はパースペクティブ補正としていましたが、日本語としてより分かりやすいかと、Ver. 1.12.1から遠近歪み補正に改めました。原語は Perspective correction です。
と言っても、難しくありません。スライダーを動かせばどういう効果なのかすぐ分かる筈です。但し分かりにくいところだけ説明していきます。なお、RawTherapee5.8本家公式リリース版では、水平、垂直しか調整できませんが、RawTherapee開発版の[カメラベース]モードではARTと同じの調整ができます([シンプル]モードでは従来通り)。ここはARTがRawTherapeeの開発版の機能を先取りしている部分です(というよりRTの公式リリースが遅すぎるのですが。多分RTのヘビーユーザーは、公式リリースを使わずに、ほとんど開発版を使っていると思います)。またRawPediaの記述も開発版に対応しているので共通に使えます。
基本、レンズに基づく歪みは、その下の[レンズ補正 プロファイル]で[ジオメトリック(幾何学的[補正]という意味)]にチェックを入れておけば補正されているはずです。
しかし、これで補正しきれない部分を遠近歪み補正で補正していきます。またフィルムカメラ用のオールドレンズなどはレンズプロファイルが使えない場合もありますので、これも遠近歪み補正で手動で補正する必要があります。
続きを読むコロ軸受けTR-43台車と直線雨樋が特徴の 身延線のクハ47063 (蔵出し画像)
本車はクハ47061と並んで前面直線雨樋と古典的な風貌を維持していた車両です。クハ47061との違いは前面に運転台中央窓下に空気取り入れ口が残っていたこと (47061は塞がれていました) 、台車がTR-23をコロ軸受けに改良した、70, 73, 80系の非電動車で使われたTR-43台車に振り替えられていたことです。但し正面から見た場合、TR-23なのかTR-43なのかは、判別が困難です。また、読者の方からご教示いただいたことですが、正面左側テールライトの下にあるステップが、本車は左右揃っています(47061は左側が欠落)。これが、クハ47061との最大の識別指標になると思います。
なお、本車は元々はサハ48016で、連合軍専用車指定を受けロングシート化されていたものをクハ化した車両です。
この車両にはなかなか会う機会がなく、以下の3枚の写真しかありません。しかも全体が写った写真が撮れませんでした。おそらく正面が出ているところに出会えば、写真を撮らないはずがないので、結局一度もしっかり正面がでている場面に出会う機会に恵まれなかったのでしょう。本車は1981.8.31まで予備車ながらも最後まで富士区にいたはずなのですが、なんでもっとしっかり撮っておかなかったのだろうと後悔しきりです。
なお、撮れなかった1-3位側ですが、他の方の写真を見ると客用扉の形状は2-4位と同じ形状だったようです。
台車がコロ軸受けであることがはっきり見てとれます。
続きを読むクモハ60として典型的な経歴だった 身延線 クモハ60814 (蔵出し画像)
これも身延線の輸送を地道に担った、低屋根化されたのを除けば、普通のクモハ60です。クモハ14置換の際に、御殿場線から転用されました。
唯一のカラー写真です。他の方が撮った写真を見ると室内はモスグリーンに塗潰されていたようです。クモハ60の大半はニス塗りが維持されずモスグリーンに塗られていたようなのですが、これも他の方の写真を見ると御殿場線時代からのようです。そもそも旧形国電のペイント塗潰しは優等車を除くと、1966年に常磐線あたりから始まったらしいのですが、常磐線時代からペイント塗だったかどうかは分かりません。ただ1967年の御殿場線電化開業時に既に旧形国電はスカ色に塗られて揃えられていたようですので、転属の際に、おそらく大井工場あたりで外部をスカ色に塗りなおすとともに、新規電化開業サービスとして、当時始まったペイント塗潰しを行って送り出したのではないかと憶測します。
続きを読む元はサハ48トップナンバーだった 身延線 クハ47057 (蔵出し画像)
本車はもともとはサハ48のトップナンバー48001でしたが、改造によりクハ47に編入された車です。終戦後は連合軍専用車に指定され、ロングシートに改造されました。日本の独立回復で連合軍専用車指定が解除された後も代用2等車として使われましたが、モハ32(→14)の地方転出に伴う制御車不足で、代用2等車の役目を終えた後、本車もクハ化され、モハ32と共に静鉄に転出しました。クハに改造されてもそのままロングシートが維持されていた車両です。
因みに1954年までに静鉄に転出した旧モハ32は40両、それに対して、それに伴って転出したクハ47は改造車を含めて26両で、モハ32は身延線、飯田線の全車両基地に配置されましたが、クハ47は一旦、富士区、豊橋区と中部天竜支区に転用されました。クハ47の過半数は富士区に配置され、豊橋区の不足するクハの補充は、常磐線のクハニ67を改造したクハユニ56、および47の富士区の転入で捻出されたクハ18で賄われたようです。しかし豊橋区に行ったクハ47は1954年までに富士区のクハ18と交換になり、クハ47は富士と中部天竜のみの配置になります。豊橋区や伊那松島区の旧モハ32の相棒は、クハニ67を改造したクハユニ56が充てられたり、身延線社形置換え用だったクハ18が転用されたり、社型のクハが充てられたりしました。
続きを読む列車表示サボ受のあった 改造クハ47 第1号、身延線のクハ47051 (蔵出し画像)
本車は、サハ48から改造されたクハ47の第1号となった車両です。身延線への70系の投入でモハ32を地方に転出させることになりましたが、横須賀線におけるクハは付属編成用で数が少なくクハ不足となりました。そこで大阪から来たクハ58も併せて転出させるだけでは足らず、サハ48を改造してモハ32にお供につけることになりました。
本車はもともとはサハ48005でしたが、真っ先に1951年に改造され、直ちに身延線に送られました。なお、Wikipediaの記述によると、1949年7月30日に2等車の連結再開で、2等車不足から代用2等車に指定されていたようです。当初はクハ47の追番の47011とされましたが、1959年に051に改番され、011の番号はなぜか身延線で焼損したモハ11を復旧させた切妻のクハ47に与えられました。
続きを読むUbuntuにEPWING閲覧ソフトqolibriをインストールする
UnixにEPWING閲覧ソフトをインストールしようとする人がどれぐらいいるか分かりませんが、情報もあまりないので備忘録としてここに記しておきます。
検索を掛けてもだいたい古い情報(2000年台半ば)が多いのですが、現時点でも、EPWING閲覧ソフト全般に関する案内として有効そうなのは、以下のページです。
www.hi-ho.ne.jp 今回、Unix用EPWING閲覧ソフトとしてより新しそうなqolibriをインストールしてみました。qolibriのホームとダウンロード先は以下です。
qolibri_2.1.4_amd64.deb をダウンロードしてインストールしますが、そのままインストールしようとすると、依存関係の問題で、インストールできません。
libqt5webenginewidgets5 というパッケージを事前にインストールする必要があるようです。そこで、以下のコマンドでインストールします。
sudo apt-get update -y
sudo apt-get install -y libqt5webenginewidgets5
なお、私の場合は、2番目のコマンドを打ち込んだところ、何かリンクが切れているというエラーメッセージが出て、
apt --fix-broken install
コマンドを入れてみろというメッセージが出たので、そのとおりコマンドを入れてから、2番めのコマンドを入れ直したら、インストールできました。
次にダウンロードした、qolibri_2.1.4_amd64.deb をインストールします。
まず、qolibri_2.1.4_amd64.deb をダウンロードしたディレクトリに移動します。
次にdpkgコマンドを使ってインストールします。
sudo dpkg -i qolibri_2.1.4_amd64.deb
インストール先は /usr/bin 以下になります。
なお、インストールしたパッケージを確認したい時は、
dpkg --list
もしくは
dpkg --list qolibri
を使い、
削除する時は、
sudo dpkg -r package (設定ファイル削除せず)
sudo dpkg -pureg package (設定ファイルを含めた完全削除)
を使います。
実行する場合は、/usr/bin/ に移動して
./qolibri
を使います。無事起動できました。
しかし、このままではリンクができません。そこで、以下の手順でリンクを作成します。
・起動リンクの作成
いちいちコンソールに移動してコマンドを打つのは面倒なので、起動リンク (アイコン) を作成し、簡単に起動できるようにします。まずホームディレクトリから .local/share/applications に移動します。頭に . が付くディレクトリは隠しディレクトリなので、ホームディレクトリで Ctrl + H キーを押し、隠しディレクトリを表示させてから移動します。
この上で右ボタンを押して[端末]を起動するとカレントディレクトリが .local/share/application でコンソールが起動します。そこで以下のコマンドを打ちます。
$ touch qolibri.desktop
すると以下のリンクファイルができます。
このファイルをダブルクリックしてエディターを起動し、以下の内容を編集して書き込みます。Version という部分は、最新のバージョンのバージョン番号を入れてください (以下の例では 2.1.4 にしています)。
また Exec は今qolibriを入れているディレクトリが例では /usr/bin なので以下のように書いていますが、このディレクトリが変更になった場合は適宜そのディレクトリ名を書き込んでください。
-----------------------
[Desktop Entry]
Version=2.1.4
Type=Application
Categories=Utirities;
Name=qolibri
Comment=
Exec=/usr/bin/qolibri
Icon=
Path=/usr/bin/
Terminal=false
StartupNotify=false
------------------------
※緑色の部分は状況によって変更がありうる部分
編集を終了し、スタートボタンを押すと以下のようにqolibriのアイコンが現れるはずです。