拙作の相対RGB色マスク画像作成ツールを使ったマスクをGIMPで使用する場合、1つのレイヤーに2枚のマスクを掛けたい場合があります。相対RGB色マスク画像作成ツールで作れるマスクは、グレースケールを除くと、R, G, B, Cy, Mg, Y の6色の透過マスクしか作れません。しかし色域選択だと、例えば黄緑色を選択することができます。これを相対RGB色マスクで実現しようとすると、GマスクとYマスクを2重に掛けると、色域選択で黄緑を選択したのと似たようなことができます。
そのための方法としては次の3つが考えられます。
1) ImageJ上でImage Calculator を使って、Gマスク画像と、Rマスク画像を混合して黄緑マスク画像を作る。
2) GIMP上でまず補正したいレイヤーにGマスクを掛け、次にGマスクとレイヤー画像を融合した後に、そのレイヤーにYマスクを掛ける。
3) GIMP上にGマスク画像とYマスク画像を一旦それぞれレイヤーとして読み込み、Gマスク画像とYマスク画像レイヤーを重ねた画像を、補正を掛けたいレイヤーにマスクとして貼り付ける。
1) に関しては、相対RGB色マスク画像作成ツール紹介ページですでに言及しています。ここでは2), 3) について記述します。
2) GIMP上でまず補正したいレイヤーにGマスクを掛け、次にGマスクとレイヤー画像を融合した後に、そのレイヤーにYマスクを掛ける方法
マスクを掛けたいレイヤーに、1枚目のマスク画像をマスクとして貼り付けます。
マスクを掛けたレイヤーに対し、コンテキストメニューから、[レイヤーマスクの適用]を適用します。
するとマスク情報がレイヤー画像に適用され、マスクが消えます(つまりマスク画像情報がアルファチャンネルに移動する)。そのレイヤーに対し、2枚目の画像をマスクとして貼り付けます。
マスクを再度かけたレイヤーに対し、補正を掛けます。
この方式ですと 透過範囲は、1枚目のマスク ∩ 2枚目のマスクになります。この方法を応用すれば3枚、4枚とマスクを掛けることもできます。
3) GIMP上でマスク画像を編集して貼り付ける方法
まず、作成した2枚のマスク画像をレイヤーとして読み込みます。
読み込んだら、マスク画像のみ可視レイヤーとし、レイヤーモードを選択して重ねます。マスク1 ∩ マスク2にする場合は、モードを比較(暗)に、マスク1 ∪ マスク2にする場合は比較(明)にします。
右クリックしてコンテキストメニューを表示し、一旦、[可視部分をレイヤー]にを選んで重ねた画像からレイヤーを作ります。
マスクを掛けたいレイヤーにレイヤーマスクを追加します。
可視部分レイヤーをコピーし、マスクをつけるレイヤーのマスク画像として貼り付けます。マスクをつけ、コンテキストメニューに出る[レイヤーマスクの編集]にチェックを付けた後、レイヤー画像をクリップボードにコピーし、レイヤーに貼り付けると、マスクとして貼り付きます。なお、[レイヤーマスクの編集]にチェックがないときに貼り付けると、マスクではなくレイヤー画像として貼りつきます。
マスクを貼り付けたら、そのレイヤーに対して補正を掛けます。
レイヤーモードに、比較(暗)、比較(明)以外も使ってみるといろいろなマスクが作れるかもしれません。