コロナ感染も第5波に突入し、気分の塞ぐ日常が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。東京五輪、メダルラッシュだそうですが、感染の方もラッシュで... ここですっきりした青空でも見て、爽快になっていただくこともかねて、真っ青な青空のRGB値を紹介します。
真っ青な青空を撮りたいとなると、やはり標高2000~3000m近いところまで登らないとなかなか撮れません。以下4枚の写真はフジのRealaで撮ったネガフィルム写真です。いずれもVuescanでスキャンしたTIFFファイルに対し、Raw現像ソフトで露出、コントラスト調整 (明度のトーンカーブ調整等)を行っていますが、色 (色相) は一切いじっていません。
RGB値はRawTherapeeで測ります。なおRawTherapeeのデフォルトの作業空間はProPhotoで、かつ内部ではリニアで処理しているはずですが、出力値はsRGB式知覚的ガンマ補正を掛けたデータになっているはずです。
このため色空間がsRGBである画像のRGB値と比べると、ミッドトーン以上では、RGB値が低めに出ている可能性があります(逆にシャドウ端では高めに出るはず)*1。ただ、色相にはRGBの比が重要かと思います。
但しRawTherapee上の画面出力は、モニタ出力(=sRGB色空間)に合わせて調整されていますので、画面キャプチャ画像自体はsRGB準拠の画像となっています。
B値は8割前後、G値はB値の約半分、そしてR値が意外に高く、G値の3/4前後です。B値、R値が高めなせいか、かなり明るめの印象です。
こちらは空の青さが濃い群青色に撮れた写真です。B値が3割前後とかなり暗くなっています。G値はB値の6割前後、R値はB値の半分強前後です。日食でもあったかと思うぐらい暗めですが、彩度自体は意外に写真3とあまり変わらないと思います。
B値は6割台、G値はB値の6割前後、R値はG値の6割前後という関係性になっています。比較的RGB間の差は少なめです。
B値は6割前後、G値の値は低めで、B値の4割前後、R値はG値の半分弱といった傾向です。RGB間の差が大きく、彩度が最も高く、空が鮮やかです。
最後は、近所の高尾山、最近の写真でNikon D5500で撮って、Capture NX-Dで現像したものです。よく見られる冬の青空のパターンかと思います。
B値は8割前後、G値はB値の6割前後、R値はG値の半分強です。B対G対Rが10: 6: 3強という比は、富士山の写真3に似ています。但し、写真3に比べ、明るさがより明るく青みがやや薄くなっています。私たちが普段見る中で「空が青い」と感じるのはこの辺り止まりの場合が多いように思います。
以上を元に「紺碧の空」の色系列をパターン化してみました。こちらはGIMPで色を作っています(sRGB色空間)。
縦の系列は、B: G: R比が同じ系列で、さらにBの明るさによって上~下の3パターンを作ってみました。写真2, 3, 5は一番左の系列、写真1は真ん中、写真4は一番右の系列に該当します。Rの比は切りの良いところで3にしましたが、実際は3~3.5の間ぐらいでもうちょっとRが高くても良いかもしれません。たぶん一番左の系列が濃度はいろいろあれ、比較的目にしやすい紺碧の空のパターンではないかと思います。彩度が一番高いのは一番右の系列です。なお、写真1~4のソースは同じフィルムですので、フィルム特性の差ではないはずです。
また、空の色が白っぽくなると、B: G: Rの差が狭まってきますが、それはここでは扱いません。やはり「紺碧」と感じるにはBに対してGが6割前後以下である必要があると思います。普通の空はもっとGの割合が高いでしょう。
写真補正の際に、紺碧の空を再現するための目安にしていただければと思います。
*1:広い色空間と狭い色空間の関係は次の図の様です。
同じRGB値でも色空間が変わればそれが対応する物理的色は変わります。同時に、同じ色でも、色空間が異なればRGB値は変わるということです。