さて先日、RawTherapee および ART のフィルムシミュレーション機能を紹介しましたが、darktableでも、昨年リリースされたVer. 3からフィルムシミュレーションが使えます。ただ、モジュール名は「film simulation」ではないので分かりにくいです。使うのは「lut 3D」というモジュールです。
まず、RT系と同様、フィルムシミュレーション用のColor Look Up Tableファイルを置く場所を指定します。使えるファイル形式は、.cube
, .3dl
, .png
(haldCLUT形式) および .gmz
ファイルです。RT系はhaldCLUTファイルのみなので、darktableでは、より様々な形式に対応しています。.cube はDaVinci ResolveやPremiere Pro等、主として動画編集ソフトで使われるLUTファイルの形式です。.gmzはG'MICで使われる形式で、使うにはG'MICのインストールが必要です。
まず、準備として3d CLUTファイルの置き場を環境設定で指定します。
環境設定 > processing > 3D lut root folderで、LUTファイルを置く一番上位のフォルダ(ディレクトリ)を指定します。またRTと同様、フィルムシミュレーション用のファイルを入手し、指定したディレクトリにおいておきます。入手先は、RT系フィルムシミュレーション機能を紹介した拙稿をご参照ください。
次にファイルを読込み、lut 3Dモジュールを起動しますが、シーン参照ワークフローでは、モジュールは隠されています。そこで、モジュールの検索窓でlut と入力すると、モジュールが現れます。
lut 3Dにフォルダマークのアイコンがありますが、これをクリックすると先ほど環境設定で指定したフォルダを見に行きます。application color spaceでは適用すべき色空間を指定します。interpolationは色の補間方法で、LUTに直接指定されていない色をどのように補間するかその方法を指定します。tetrahedral (default), trilinear および pyramid がありますが、darktableの公式説明書ではどれを選んでも大して差はないと書かれています.... ここはいじらなくて良いでしょう。なお、色空間を変えるとかなり効果が変わります。以下のサンプルではadobe RGBを使っています。
好みのLUTを適用すれば終わりです。
サンプル