省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

ART トラブルシューティング: ダークフレームを使うと画像がおかしくなる?

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 ARTのオンラインディスカッションに以下のような質問が上がっていました。

discuss.pixls.us 要は、ARTでダークフレームを適用したら画像がおかしくなった、という質問です。答えは、画像ファイルと、そこからノイズを消すためのダークフレーム画像のブラックポイントのレベルが異なっていたため、ということでした。つまり、ダークフレーム画像は、補正したい画像と同じISO, 同じ露出, そして出来れば同じ撮影コンディション (補正したい画像を撮影したらすぐ続けてダークフレーム画像を撮影する等) で撮影する必要がある、ということでした。

 因みにダークフレーム機能について紹介していませんでしたので、ついでにここでその機能も紹介します。 

ダークフレームメニュー (Rawタブ)

 長時間露出を行った写真には、輝点ノイズや、カメラの電子回路が発熱することで発生する熱カブリなどが現れることがあり、これらは、撮像素子の温度や露出条件が同じであれば、同箇所に同じように発生しがちです。そこで、これらのノイズを取り除くために、ノイズのみを撮影した画像を別途作成しておき、それを写真から差し引くことで、ノイズの補正を行う操作をダーク補正またはダーク減算といい、これに用いる、ノイズのみ記録した画像をダークフレームと言います。それに対し、補正対象となる画像を撮影した画像はライトフレームと称します。このダーク補正を行う機能がARTのダークフレームです。

 ダークフレームは、カメラのキャップをはめたまま光が一切入らないよう撮影すればよいので簡単です。但し、先も述べたように、撮像素子の温度や露出条件が同じであれば、同じところに同じように発生するので、補正したい画像を撮影した直後にダークフレームも撮影することが望ましいとされています。
 ARTのダークフレーム機能のマニュアルは、下記のRawPediaにあります。

https://rawpedia.rawtherapee.com/Dark_Frame/jp

 なお、下記のサイトを見ると

ryutao.main.jp ダークフレームも複数枚のダークフレームを撮影してコンポジットするのが望ましいと書かれています。ただ、ART および RawTherapee はそれも簡単で、複数の同一条件で撮影したダークフレーム画像を一つのフォルダにおいておき、そのフォルダを指定し、[自動選択] にチェックを入れておけば、自動的にコンポジットしてくれます。