RawTherapeeおよびARTにはRawタブにフラットフィールドというモジュールがあります。
これもなんだか名前を聞いただけでは、何の機能やらさっぱりですが、調べてみると、Nikonの現像ソフトでは「イメージダストオフ」、Canonでは「ダストデリートデータ適用」、Capture Oneでは「LCC (レンズ・キャスト・キャリブレーション) 補正」という名で呼ばれる機能です。
この機能は、周辺光量の低下等、カメラとレンズの組み合わせに起因する、画像に不均一が発生した場合やセンサーにゴミがついた場合、その影響を低減するものです。予め白い艶消しのアクリル板などを用い、リファレンス用画像ファイルをピンボケ状態で撮影して用意しておき、その画像に写ったゴミや周辺光量低下状態を、個別に撮影した画像から差し引いて、センサーについたゴミや周辺光量の低下の影響をキャンセルするというものです。
ただこの機能を搭載しているRaw現像ソフトは少ないようで、Lightroomにはないはずです。また同じ機能でもソフトウェアによって名称がまちまちで混乱します。
RawPediaのマニュアルはこちらです。
https://rawpedia.rawtherapee.com/Flat_Field/jp
パラメータの意味は上のマニュアルをご覧ください。
試された方のブログを紹介しておきます。
Nikonの、イメージダストオフデータの取得に関するマニュアルも紹介しておきます。
上の指示に従って作ったイメージダストオフデータ画像は、おそらくフラットフィールドに使えるはずです。
Canonのダストデリートデータは、Rawファイルに内蔵されるようなので、こちらはCanonのDPP専用のはずです。RT系のフラットフィールド補正に使うにはカメラ内蔵のダストデリートデータ作成機能とは別途、補正用データ画像をRawPediaのマニュアルに従って撮らなければならないはずです。
ただ、こちらでも、[メタデータに埋め込み]というオプションがあり、ひょっとするとこれを使うと、Canonのダストデリートデータが使えるのかもしれません。どなたか試してみられた方がおられましたら、ご報告いただけると幸いです。
なお、分かりにくいので、ART 1.10.1用の新訳では、ダークフレーム (これも名称からは機能が分かりにくい) 共々、次のように表示させるようにしました。
もし表示が上記のようになっていなければ、以下のページからART用日本語ファイルをダウンロードして適用してください。