GIMPの範囲選択方法の中には、色情報に基づいて範囲選択を行うものがありますが、その機能の違いについてまとめてみます。
■色域の選択
指定したピクセルと類似した色域を、予め指定しておいた閾値に基づいて、画像全域にわたって選択範囲とする範囲指定方法です。類似色領域が離れていても一発で選択できる一方、思わぬ部分が選択される可能性もあります。また画像全体を探索するので、ピクセルサイズの大きい画像だと、かなり動作が重く選択されるまで時間がかかることがあります。
■ファジー選択
基本的には、上の色域選択と同じですが、画像全域から選択範囲を計算するのではなく、指定したピクセルから連続した範囲のみを選択範囲とします。離れた範囲を一発で指定することはできませんが、画像全領域を探索しないようなので、パソコンへの負荷は、上より軽いようです。
■前景抽出選択
前景抽出選択も基本的には、色情報に基づいて選択範囲を決定する範囲選択方法です。最初に、大雑把に抽出したいオブジェクトを囲み、その後、抽出したいオブジェクトに、大雑把にストロークを描き、それに基づいて抽出するというステップを踏みます。
ただ色域選択やファジー選択と異なるのは、指定した閾値に基づき、選択したピクセルに色が類似した範囲を選択するのではなく、描いたストロークで色情報を取得して、その情報に基づいて選択範囲を決定するようです。ということはストロークが切り抜きたい部分を突き抜けてしまうと、不正確になるということです。
なお、結構計算負荷が高いので、画像のピクセルサイズが大きく、かつCPUが非力 or メモリが少なめだと計算時間がかかります。
なお、作業手順については、下記の記事が分かりやすいと思います。
ちなみにこの機能、前景と背景のコントラストや色の違いがはっきりしているなら結構良好な結果が得られます。以下前景抽出選択ツールを使った事例です。
かなり細かいけばけばがうまく抽出されています。ただし、当然ではありますが、抽出したい前景と背景の色の差やコントラストがあまりないと、なかなかうまくいきません。