省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

やはり長野電鉄からやってきた、上田交通 クハ271 (蔵出し画像)

 こちらは、モハ5271と同じく長野電鉄からやってきた車両です。かつての上田交通は、日中はモハの単行で運行され、クハは朝夕の多客時の増結用としてのみ使われていました。そのため、あまり写真がありません。

上田交通 クハ271

 Wikipediaで調べた車歴は、下記のようでした。

 1927.10 長野電鉄 デハ350形 デハ354として製造 (川崎造船所)

 1929.6 モハ354に改称

 1953 モハ604に改称

 1980.10.31 廃車

 1981 倉庫代用として上田交通に譲渡

 1983.6.13 クハ271として車籍復活

 1986.10.1 廃車 廃車後長野電鉄へ 返還

 1990 小布施駅構内「ながでん電車の広場」に整備の上展示

 2014.10 安曇野ちひろ公園で展示のため、北安曇郡松川村に移動

 2016.7 安曇野ちひろ公園に開設された「トットちゃん広場」で「電車の教室」として2016年7月から公開

 

 これで初めて知りましたが、上田交通にやってきたのは、1980年と結構遅かったのですね。しかも元々倉庫として使うために譲渡されたということでしたが、現役に復帰したのは1983年と遅く、3年しか使われなかったようです。そのためか、撮影時点でも屋根へのサビが少なく、元の赤い塗装が鮮やかです。

 しかも昇圧で現役を退いたあと長野電鉄に返却され、現在も保存車両として残っているということが驚きです。末永く保存・活用されることを願いたいと思います。

 モハ5271とは車両製造元は異なりますが、違和感なく連結しています。