フリーのRaw現像ソフト、ART対応のAgX のLUTが公開されています。筆者もきちんと理解しているわけではないのですが、いくつかのサイトを読んだところ、AgX とは、シーン参照データをディスプレイ参照データに変換する際のレンダリングの方法の一つのようです。写真などの静止画像では、広いダイナミックレンジのシーン参照データを狭いダイナミックレンジであるディスプレイ参照データに変換する (ODT / DRT Output Device Transformation / Dynamic Range Transformation) 際に、S字カーブ、シグモイド曲線などを掛けて変換しますが、映像業界では アメリカに本部のある映画芸術科学協会の科学技術委員会で策定された Academy Color Encoding System (ACES) で定めたレンダリング方式で変換するのがスタンダードになっているようです。以前紹介した、映像業界で使われるLUTも基本的にはACESに準拠したレンダリングを指定しているものと思われます。
ただ、ACES推奨のレンダリング方式が不自然であるとして、より自然な代替レンダリング方式として提案されているのがAgX のようです(下記サイト参照)。
www.elsksa.me ハイライトや高いクロマの画像も破綻なく ODT / DRT ができるというのが特徴のようです。
これを、ARTで使えるOCIOに対応した CLF 形式に変換したLUTが作られて、ART のディスカッショングループ内で配布されています。
試してみたところ、確かにディスカッショングループの中で指摘されているように、コントラストが低めになります。関心のある方はダウンロードしてみてください。
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参考記事