次に、Bチャンネル再建法適用時に、周辺褪色補正を行う際の注意点について申し述べます。
ネガカラーフィルムでは経年劣化すると、画像周辺部のBチャンネルが、値が高いほうに褪色し、周辺部のBチャンネルのテクスチャ情報が失われる場合があります。Bチャンネルの値が高いほうに褪色しますので、見た目では青っぽくなります。
例えば前回お示しした画像では、オレンジで囲んだ部分がそれに該当します。
この部分については、周辺補正レイヤー (**** _G+R.tif の名前の付くレイヤー) で補正しますが、マニュアルで書いたように、周辺補正レイヤーにかかるマスクに対して不必要な部分を黒塗りする編集を行います。
ところで、これ以外に近景補正レイヤーのマスクも編集を行ったほうばよいです。厳密に言えば、Type2マスクまたはType4マスク (オリジナル画像のピクセルが補正画像より青いピクセルを活かすマスク) がかかっている場合、こちらの周辺褪色部分に関しても編集します。具体的には周辺部のマスクが黒くなっている部分を白塗りします。
というのは、近景補正レイヤーにオリジナル画像のピクセルが補正画像より青いピクセルに関しては補正を無効化するマスクがかかっています。これは、黄変補正によって過剰にBチャンネルとGチャンネルの値の近接が起こらないようにするためです。しかし、この場合青い褪色部分がそのまま活かされてしまいます。もちろん、周辺補正レイヤーで上書きしますが、100%不透明で上書きするとはかぎりません。場合によると、濃度調整のため不透明度を下げなければいけないかもしれません。そうなると、青変褪色部分が悪影響を与えることになります。したがって、この場合、その部分のオリジナルの青いピクセルを活かすマスクを無効化する必要があります。そのため白塗りするのです。