ここで、ARTのローカル編集におけるマスク間の重ね合わせについてまとめてみましょう。
■異種マスク間の重ね合わせ
異種マスク間とは、パラメータ指定マスク、類似色マスク、エリアマスク、ブラシマスク間相互のことです。
このうち、パラメータ指定マスクと類似色マスクは両立不可能です。両方をオンにするとすべての指定範囲が消えます。かならずどちらか一方のみをオンにして下さい。
エリアマスク、ブラシマスクは他のマスクと重ね合わせることができます。つまり、[エリアマスクーブラシマスク]、[パラメータ指定マスクーエリアマスクーブラシマスク]、[類似色マスクーエリアマスクーブラシマスク]の各グループ内で重ね合わせることができます。
重ね合わせた時のモードですが、エリアマスクはパラメータ指定マスク、類似色マスクのいずれに対しても、重複モード (両方のエリアが交差した部分のみが指定範囲として有効になる)でしか重ね合わせることができません。しかしブラシマスクは、どのマスクに対しても、重複モードでも追加モード(他のマスクが指定した範囲に加えてブラシマスクで指定範囲を追加できる)でも重ね合わせることができます。
■同種マスク間での重ね合わせ
・パラメータ設定マスク
色相(Hue), 彩度(Chroma), 明度(Lightness)の相互で重ね合わせることができます。重ね合わせモードは重複モードです。
・類似色マスク
一つのカラー/トーン補正のインスタンスに対して、1種類の領域しか指定できません。複数の類似色マスクの領域を設定したい場合は、カラー/トーン補正インスタンス自体を増やしてください。
・エリアマスク
エリアマスク同士なら種類が異なっても、追加、差引、重複各モードで重ね合わせることができます。エリアの重ね合わせの順番を変えることによって重ね合わせ方を調整することができます。
・ブラシマスク
各ブラシストローク同士は、常に追加モードで重ね合わさります。ストローク同士の重ね合わせの順番は編集することができません。これはあとから塗り重ねたストロークが下のストロークを完全に上書きするようなことがない、ということも意味します。
そのため、塗潰しストロークと消しゴムストロークが交差したところは、常に透明度が50%になります。これは塗りつぶしストローク 1本と、消しゴムストロークが2本交差しても透明度が 30% に下がるようなことはない、ということです。