セッションモードとは、今年 1/2に リリースされた ART 1.18 より新たに追加された機能です。現状の ART のファイルブラウザは、ディスクドライブや、フォルダを指定し、そこからファイルを探します。しかしセッションは、ファイルのディスクドライブ上の位置に関係なく、一時的に作業したいファイルのグループを作成しておき、そのグループのリストからファイルを選べる仕組みです。すでにマニュアルの翻訳は行っていますが、日本語画面を使ってもう少し詳しく解説します。
■ 基本操作
1.18移行のバージョンを開くと、ファイルブラウザの右上に、[セッション] という項目が追加されています。初期状態では選ばれているファイル数は 0 なので、(0) という数字が右側に表示されています。
[セッション] を選択すると右側にアドレスバーと4つのアイコンが見えます。
これらのアイコンは左から、セッションのファイルリスト読み込み、セッションのファイルリスト保存、セッションへファイル追加 (+)、セッションからファイル削除 (ー) のアイコンとなっています。
このアイコンのうち + のアイコンをクリックすると下記のように[セッションに追加する] ダイアログが開きます。
このダイアログからファイルを選択し、[追加] ボタンを押すと、追加されたファイルのサムネイルが下記のように表示されます。
このセッションのリストからファイルを選択して編集することが出来ます。またこのセッションのリストを保存したいときは、上の、セッションのファイルリスト保存 (フロッピーディスクの形) アイコンを押すと、保存します。
保存すると、ars という拡張子を持つテキストファイルに保存されます。
ARTを一旦終了後、再度このセッション一覧を読み込みたい場合は、ART 再起動後、再度セッションを選択し、フォルダを開くアイコンをクリックすると、セッション一覧ファイルを読み込むダイアログが開くので、そこからファイルを読み込むと、上記のセッションの状態に戻ります。
なお、ART をコマンドラインから以下のオプションをつけて起動することで、セッションを開いた状態で起動することが出来ます。
-S <file> ファイルを読み込んでセッションモードで起動. もしファイル名が 指定されないと, 前回のセッションの状態で起動 -Sc セッションの状態をクリアする -Sa <file1> [... <fileN>] 前回のセッションに新たなファイルを追加して起動 -Sr <file1> [... <fileN>] ファイルをセッションから削除して起動
■ digiKam 検索結果との連携
写真管理ソフトウェア、digiKam の検索結果との連携は次のように行います。
・まず digiKam で一定のキーワードや条件等で検索を行います。
・次に、検索結果をテーブルで表示します。
・全ファイルを選択し、Ctrl + C もしくは、右クリックのコンテキストメニューからクリップボードにコピーします。
・適当なテキストエディタにコピーしたものを貼り付けます。
・貼り付けた結果を、拡張子に ars をつけた適当なファイル名で保存します。その際に、Linux の場合、頭の "file:////" という部分を削除してください。 なお、日本語を含む場合は必ず文字コードが utf-8 になっているか確認してください。また改行コードは常に LF である必要があります。
・ART を起動し、セッションを指定して、保存した ars ファイルを読み込みます。
※Windowsユーザへの注意!
Windows 上 で digiKam の検索結果を使って ars ファイルとして保存し、ART でセッション・リストとして使う場合以下の注意事項があります。
・ディレクトリの区切りを / から ¥(または \ [バックスラッシュ]) に変更する。
・ars ファイルの改行コードが LF になっているか確認する。LF になっていないと ART は読み込まない。Windows の改行コードは、CR+LF なので要注意!!
なお、Windows上の digiKam の検索結果は、 "file:////" を含みません。