省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

digiKam のタグ情報・メタデータはどこに書き込まれるか?

 ところで、digiKam が書き込んだタグ情報等のメタデータはどこに書き込まれるのでしょうか。一般的な画像ファイルで見られる、ExifIPTC には digiKam が書き込んだらしいエントリーが見当たりません。

 digiKam 上で書き込みを確認するには、メニューの [アイテム] → [Edit Metadata] を見ます。

メタデータの編集

メタデータ - XMP 情報の編集

 するとその下に、Edit EXIF, Edit IPTC, Edit XMP という3つのタブがあり、digiKam で書き込まれるタグエントリーは、Edit XMP のタブの下にありました。つまり基本的には、XMP というメタデータグループの下に書き込まれるようです。

 どのエントリーの下に書き込むかの設定は、以前紹介した、以下のダイアログで設定するようです。

[タグ] の編集

 おすすめの設定に従って、Xmp.MicrosoftPhoto,LastKeywordXMP と Xmp.dc.subject だけチェックを入れておきましたが、Exif にも書き込みたければ、Exif.Image.XPkeywords などにもチェックを入れておいたほうが良かったのかもしれません。


 ちなみに、このメタデータに関するわかりやすい解説はないかと探したのですが、やや情報は古いのですが、さすが、Elle Stone氏の 9 degrees below photography サイトがどうやら一番わかり易く、包括的に解説しているようです。ちなみにこのサイトはフリーソフトで画像処理を行ったり、カラーマネジメントについて考えるためには必読のサイトです。 ninedegreesbelow.com

 かいつまんで要点を述べると、各メタデータは、Exif, IPTC, XMP などまずメタデータごとにグループがあります。ひょっとするとカメラメーカーは独自の情報を保存するために固有のグループを持っているかもしれません。ImageJ で処理した画像を TIFF ファイルに保存し、それを GIMP で読むと、読めないタグがあるとエラーメッセージが出ますが、おそらく ImageJ は独自のメタデータグループを作成し書き込んでいるものと思われます。

 そして、各グループごとに、情報を保存する書き込み場所があります。これはグループごとに1箇所にまとまっているとは限りません。例えば、Exif グループは、IFD0,  IFD1, IFD2 および ExifIFD という場所に書き込みます。

 更にいうと、 Exif, IPTC, XMP にそれぞれ同じエントリーがあったとします (例えば、Orientation [画像の方向])。しかし、別のグループの同じエントリーに、同じ情報が入っているとは限りません。場合によると矛盾する情報が書き込まれていたりします。するとそれを読み込んだ画像処理ソフトは、そのエントリーの矛盾によって誤動作を引き起こす可能性があります。

 ですので、そのような可能性を排除するためには、それぞれのグループの同じエントリーに同じ情報を入れるようにするのが望ましいことになります。digiKam の場合は、Exif, IPTC, XMPグループに書き込むことが出来ますので、それらでなるべく同一の情報が書き込まれるよう、[設定] → [digiKamの設定] → [Metadata] → [Advanced] で設定しておいたほうが良い、ということになります。

 そして、XMP形式のサイドカーファイルがありますが、これは、本来画像ファイル自体に書き込む XMP グループのメタデータを、ファイル自体に書き込まずにサイドカーファイルに落として書き込んでいるということのようです。

 

 なお、このようなメタデータを画像ファイル自体に書き込むとファイル容量が大きい場合はかなり時間がかかります。digiKam を終了する際に書き込みを始めますが、なかなか終わりません。またこの間に電源が切れたり、フリーズしたりすると、そこで画像ファイルが破壊される危険性もあります。

 この危険を回避するためには、すべてのメタデータサイドカーファイルに書き込むようにすれば、画像ファイル自体が破壊される危険性は少なくなりますが、おそらく XMP グループのメタデータしか書き込まれないのと、XMP サイドカーファイルを読み込まない画像ファイルには情報が伝達されないこと、さらに、本来のファイルの横にサイドカーファイルが散乱するので、見てくれが複雑になるなどの副作用があります。そのあたりどうするか悩ましいところです。

 

 他に以下のような情報もありました。digiKam を使って複数の写真ファイルに同一の Exif エントリーを書き込むにはどうするか、という話です。

userbase.kde.org これに関しては、Exiftool をコマンドラインからバッチ処理するのが一番簡単なのですが...

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